甘エビ(ナンバンエビ)の加工販売で6次化に取り組む北るもい漁協所属の有限会社蝦名漁業部(羽幌町、蝦名弥代表、電話0164・68・7777)は、家庭で本格料理を楽しめる簡単調理のミールキットを開発した。併せて製造工程の機械化を推進し、生産増大に備えた。4月中を予定している直営店「甘えびファクトリー」の今期オープンから販売を始める。
後志総合振興局は独自事業の一環で、新規に後志産ニシンの利用拡大策を推進する。地元で獲れるニシンの成分や脂質を科学的に調査。客観的なデータを管内の水産加工会社や漁協に提供、活用策を探る際の基礎材料としてもらう。
同振興局水産課は「ここ数年、日本海沿岸ニシンの資源量が増えているが、魚体や脂乗りの面でブリストル産と比べて評価が高いかと言えば、必ずしもそうではない」と指摘。一方で「ブリストル湾でのニシン漁は日本向けの採算が合わず敬遠されており、昨年はそこにコロナ禍が追い打ちをかけた。輸入物の調達環境は決して良好ではなく、後志産の仕向先を拡大する余地があるのでは」と現状認識を示す。
東しゃこたん漁協古平地区のエビかご漁は序盤の水揚げが伸び悩んでいる。3月下旬で唯一着業する第二十七長洋丸の茂木隆文組合長は「資源が少なく、昨年に比べ漁模様は多少悪い」と話す。
道水産物検査協会がまとめた道産コンブ格付実績は、3月単月が前年同月比9%減の497トンにとどまり、2020年度累計で過去最低だった前年度を0.4%下回る1万2873トンに落ち込んだ。
ニシン刺網に着業する湧別漁協の工藤輝之さん(第八晴龍丸=6トン)はイセ7割の仕立て。足棚は鉛付きのものに加え、今年から150グラムの鉛線入りを使用し2種類を使い分けている。出荷後に作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
釧路市東部漁協のホッキは、今季から1隻増の6隻体制となり、全体の供給量が増えたことで3隻が地方送りを強化、販路拡大に注力している。発泡に貼る独自シールも作成し、船ごとに色分け。船名を売り込むとともに、責任出荷で品質の安定・向上につなげていく。
函館市漁協石崎地区の促成が順調に生育している。コンブの伸びは例年に比べ良好で、2月に続いた低気圧による大シケでも目立った被害はなかった。すでに間引きは終わり、今後施設の雑海藻駆除など手入れを進め、夏の収穫期に向け成長を促す。
留萌管内でへい死・成育不良に陥っている地まき用稚貝の生産量は、当初の予想通り契約粒数の8~9割となる見通し。3月末から順次引き渡されるが、5~6割を出荷した後は各漁協とも契約先に差が生じないよう、残量を均等に出荷したい考え。
北るもい漁協(今隆組合長)が初山別支所に建設を進めていた鮮度保持施設(冷凍冷蔵施設)が竣工、3月下旬に稼働を開始した。同地区の主力魚種・ミズダコの加工事業を補完する凍結・保管能力を増強。作業効率化の最新設備も導入した。加工量の倍増に向けた体制を整備。付加価値商品の販売拡大を一層進め、漁業者の収入向上につなげていく。
JF全漁連と水産庁はこのほど、2020年度「浜の活力再生プラン」優良事例表彰を実施した。古平町・積丹町地区水産業再生委員会(積丹町分会)が水産庁長官賞を受賞、ウニの安定生産への取り組みやウニ殻を活用した循環型のコンブ増養殖、ブリのブランド化への取り組みが評価された。