猿払村漁協の定置業者・猿払鮭鱒漁業株式会社(代表・永井英俊漁協監事)は地域貢献に主眼を置いた事業活動に乗り出している。サケとばやサクラマスの寒風干しなど自社加工品を含めて村の特産品を一堂に提供する物販用の自動販売機3台を地元道の駅「さるふつ公園」内に設置。その日獲れた前浜産の移動販売も始め、地域住民が気軽に地場産魚を購入できる機会の創出に挑んでいる。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会のブランド「海峡根ぼっけ バキバキ」の秋漁が11月上旬に始まった。シケが多いことに加え漁もまだ本格化しておらず、出足は2隻の着業。幸栄丸の髙島信幸部会長は「魚が陸に寄っていない。今後に期待したい」と話している。
未曾有の不漁で空前の高値市況を形成した北海道の秋サケ。量販店の生鮮商戦は単価高が直撃。特に生筋子は集荷、価格訴求が難しく、拡販に苦戦。生秋サケも商品づくりなどで購買意欲の喚起を図ったものの、売り上げの低迷を余儀なくされた。生活協同組合コープさっぽろ札幌地区本部の鈴木健水産SVに販売・消費動向を聞いた。
標津漁協のけた引が11日に始まった。序盤は日産50トン前後の水揚げ。同漁協では「今月初めのシケで岸寄りしたため心配したが、予想外に獲れている」と安どする。浜値は初日にキロ900円台を付け、2日目以降800円台で推移している。
いぶり噴火湾漁協の秋サケ定置は、低水準ながら10月までは数日置きに一定量を揚げていたが、11月に入って1カ統数十尾と大きく減速。それでも苦戦した昨年の約2倍に迫る水揚量で終盤を迎えた。浜値は全道的減産の影響もありメスが一時キロ4千円台中盤まで高騰。金額は前年比3倍に伸びている。
胆振管内の白老町が取り組むホッケの閉鎖循環型陸上養殖実証実験は、9月26日に採卵作業を開始した。7日までに3回の採卵で1回当たり70グラムを採取している。実証実験は2024年度から3カ年で実施。2年目の今年は事業の最適化と種苗生産技術の確立、3年目で最適な事業規模や事業推進体制を検討していく。
厚岸漁協のコンブ漁では、ナガやアツバのほかにオニコンブも水揚げしている。製品作りでは洗浄・乾燥後きれいに伸して成形するなど手間と時間をかけて生産。だし昆布を主体に加工原料としても扱われ、同漁協直売店でも各種製品を販売、好評を博している。
道南太平洋のスケソ刺網漁は10月1日に解禁したが、胆振管内の主産地・いぶり中央漁協は薄漁に加えて、シケで網揚げを余儀なくされるなど操業回数も伸び悩み。ハシリから水深400メートル前後で操業する着業者は「群れは薄く、シケがあるとなおさら厳しい」と序盤の漁模様を示す。一方、浜値は昨年同様に薄漁高値の滑り出し。地元加工業者は「最近は卵成熟が早期傾向。真子の時期も集中している」と、今後の漁況を注視している。
オホーツク海沿岸の漁場造成を含む10月末水揚量は、前年同期比16%減の24万2390トンとなった。北部は4%の微減だが南部は23%減と苦戦。計画達成率は94%となり北部が軒並み達成したものの南部は西網走を除く7単協が未達。歩留まりは6~8%台に低下、組成は5Sまたは6S中心。浜値はキロ100円台後半に下げた漁協もあるが、引き続き300円台後半~200円台と堅調に推移している。
網走漁協の船上活じめブランド「釣きんき」の水揚げが上向いている。着業する第五十八勝喜丸(34トン)の木村剛船頭は「1航海で多い時は60~70箱。秋口から増えてきた」と好感触。浜値は高値基調で1箱(3キロ)5尾はキロ1万5千円前後を付けている。