サロマ湖で養殖カキの水揚げが始まった。今季の身入りは昨年より遅く3単協(湧別、佐呂間、常呂漁協)ともスロースタート。むき身の日量は22日現在、湧別が550キロ、常呂が200キロと少なく、佐呂間は水揚げを見合わせている。一方他産地も低調なことから、浜値は前年同期の2倍以上となるキロ3千円前後で推移。22日は2千円台に下げたが高値基調を継続している。
サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)の稚貝本分散は、必要量をおおむね確保し、10月中旬までに終了した。来季の採苗に向けては採苗器の増加も視野に検討していく。
潜水用スーツなどの製作販売・修理を手掛ける広尾町の「KANBARA(カンバラ)」(勘原賢三代表、電話01558・2・4876)は、浜の声を参考に一工夫加えた漁業装備品も製作。コンブなど船採りで使う膝当ては強度の高さと固定力に優れたつくりが特長で好評を博している。
北海道の秋サケ定置網漁は10月後半に入って根室・北部、オホーツク・東部の斜網地区が日量は落ちながらも上積みしている以外は盛り上がりに乏しく推移。オホーツク・西部の宗谷管内、中部の雄武、沙留などは2018年を底に一昨年までの増産基調から一転し、前年比減の漁期前予測をさらに下回り、2年連続の大幅減産のまま終盤を迎えている。
潜水業務や海洋土木工事などを手掛けるジオテック株式会社(札幌市・井澤貞登社長、電話011・823・2033)は、2011年から古宇郡漁協の磯焼け対策として藻場造成事業を推進している。毎年10月に磯焼けが著しい泊村海域を対象に栄養塩の供給作業、高圧ジェットによる岩盤清掃作業、ウニの移殖に取り組みモニタリング調査を実施し、対策事業区域の岩礁地帯でホンダワラ類やワカメの新規群落を形成するなど一定の効果を発揮している。
えりも漁協庶野地区のタコ空釣縄漁は10月上旬の縄入れ直後に大シケに見舞われ、陸側中心に縄が「団子状態」になるなどの被害が散見した。それでも出足の水揚げは多い日で1トンを超える船もあり、漁期前半主力となる大ダコ(ミズダコ)は赤潮以降低迷していた漁模様に回復の兆しが見えている。
岩手県漁連は10月24、25の両日、2024年度第1期(11月分)県産アワビの浜値を決める事前入札会を盛岡市内で開いた。水揚げ予定数量117.4トン(前年同期比5.5%減)に対し、10キロ当たりの平均単価は6万6475円(同31.2%安)。東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出をめぐる先行きの不透明さ、磯焼けによる品質への懸念などが相場にも影響しているとみられる。
全国漁港漁場協会は24日、第73回全国漁港漁場大会を東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催した。全国から1250人の関係者が集まる中、舞立昇治農林水産大臣政務官、滝波宏文参議院農林水産委員長、水産庁幹部や関係団体トップらが出席した。漁港漁場整備長期計画が4年目を迎える2025年度に向け、大会では長期計画の着実な実行に向けて課題を共有するとともに、水産基盤整備事業予算確保への提言を取りまとめた。
ニチモウ株式会社とSPACECOOL株式会社は、猛暑により漁獲物の安定した鮮度保持が困難になりつつあるという漁業が抱える課題を解決するため、SPACECOOLが開発した放射冷却素材「SPACECOOL」を活用し、漁船の貯氷槽内の温度を下げることに成功した。千葉県船籍の巻網漁船2隻が漁業として初めてを導入したのを皮切りに、同県内で導入が進んでいる。
東京都・豊洲市場の北海道産シシャモ消流は品薄高値から需要の落ち込みが懸念されている。生鮮・干物の両製品とも仲卸業者らは荷受からの卸値を「社外秘」とするものの、利幅の狭い販売価格で展開。生鮮の広尾産のオスをキロ5千円で販売している仲卸業者は「顧客に現状より安くなる見込みはないことを伝えても漁が上向くことを期待して買い控えている。結局は希望通りの相場にならず買うのを断念するだろう」と悲観的な展望を話す。