道南の企業や研究機関などが連携し、コンブに付く毛(ヒドロゾア)を除去する装置「昆布毛取り機」を開発した。回転式専用研磨ロール(意匠登録済)に伸した生乾きコンブを当てて、組織に入り込んだ毛を削り落とす仕組み。足元のペダルを踏み込んだときだけロールが稼働する省エネ型。軽量・シンプル構造で、メンテナンスやロールの着脱も簡単にできる。
7、8月に好漁だった稚内漁協のスルメイカ漁は、9月以降の秋漁で下火になっている。日量は9月中旬~10月中旬に多くても6000箱、少ない日は3千箱と夏のピーク時の半分以下。同一漁場での日変動も生じ、船間格差が大きい。
オホーツク海けた引漁は10月末で宗谷、頓別、沙留、湧別、網走の5単協が本操業を終えた。宗谷は2万6600トン、湧別は1万3500トンを水揚げ。当初計画に対する進ちょく率は頓別、沙留が120%を超えた。
まるいち沼田商店株式会社(宮古市、沼田貫一社長)は自社ブランドの「氷頭なます」を復活させた。従来品に比べてプロテオグリカンを増量して差別化、販路の拡大を目指す。「40年かけた研究の成果」と沼田社長。サケが持つ機能性に早くから着目。しかし、今までは工場が老朽化していたため新商品生産になかなか踏み出せずにいた。昨年竣工した新工場を機に、増産体制に臨む。
11月1日解禁となる岩手県産アワビの第1期(11月)分入札が10月25、26日、盛岡市の県水産会館で開催された。227.3トン上場、10キロ当たり7万8671円平均で落札され昨シーズンを5%上回った。昨シーズンの価格下落要因となった干鮑(かんぽう)の流通がやや好転したほか、鮮鮑(せんぽう)の当面の流通見通しが良いことも反映。サンプル検査での肥満度の上昇も値上げを後押しした。
北海道の秋サケは漁期中の8割超が水揚げされる時期が過ぎたが、漁獲尾数は1千万尾台にとどまっている。道総研さけます・内水面水産試験場が進めている年齢査定では、低来遊が予想されていた主群の5年魚(平成24年級)、4年魚(25年級)とも実際に低調。特に4年魚が日本海を除いて不振で、昭和59年以来の2千万尾割れも見込まれる凶漁に響いている。
北海道沿岸一円で水揚げが定着してきたブリ。浜では新たな資源の有効活用に向け、船上活じめなどで価値向上に取り組む動きも広がっている。道内の消費はまだ拡大途上だが、水揚量が増える秋には量販店の売り場に刺身や切り身などが並んで消費者にも徐々に浸透。本州市場にも流通、脂の乗りなど品質が認知され、「北海道産天然ブリ」の存在感が高まってきている。
日高昆布の優れた特性とそのうま味をPRする「日高昆布フォーラム2017inさっぽろ」(実行委主催)が23日、札幌の道新ホールで開かれた。節目の10回目を迎えた今回は料理研究家の星澤幸子氏とかつお節問屋の㈲永見社長で「だしソムリエ」としても活躍する桃井一元氏が講演。市民ら約450人に昆布やうま味の魅力、料理での活用法などを伝えた。
宗谷、稚内両単協の秋サケは前年並みの低調な水揚げで終盤に入ったが、浜値に支えられて金額は大幅に伸長。全道で記録的な大不漁となった今年は解禁から高値を維持している。