北海道産タコの浜値が高騰している。ミズダコ主産地の日本海、オホーツクなど水揚げは平年並みに順調だが、アフリカダコが減産や欧州など他国需要で品薄高値。業務筋中心に原料調達が道産に切り替わり、商社筋が産地に買いに入るなど代替需要が強まっている。アフリカは夏漁も搬入量の急回復は見込めず、年末需要期に向けて製品相場を含め高値継続の様相。消費低迷のリスクも抱えている。
斜里第一、ウトロの両漁協は春定置で2年目となる統一規格出荷に取り組んでいる。トキサケは良型の活じめと野じめの2種類。今季からサクラマスの活じめ基準も設定し、斜里第一が試験的に先行着手した。また、斜里町、観光業界などが連動し、15年連続水揚げ日本一を前面に「サケ日本一のまちPR事業」に乗り出し、生産者が口火を切った地域ブランドの確立、サケの消費拡大などを盛り上げていく。
漁船の船灯のLED化が急速に進んでいる。漁船にはサーチライト、デッキライトなどさまざまな照明器具が搭載されているが、省エネ性といったLEDの評価に加え、激しい振動や塩害に耐えノイズを発生させない専用ライトが登場しているため。魚市場や加工場といった陸上の大空間施設でのLED化も着実に進んでいる。ただ、「長寿命」というイメージだけが先行し、それに伴う行き違いが生じることを懸念する声も。紙面では、先行導入事例や、上手に選び、使うことで安全性の確保にもつなげた実績を紹介する。
オホーツク海北部の本操業は4単協(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)ともシケの影響を受けず順調な水揚げを始めた。今季最高計画量を見込む猿払村は日産約400トン程度。値決めは3単協で実施されキロ120円前後でスタートしている。
函館市のいかめしメーカー・(有)山徳食品(山本慎一社長、電話0138・22・8755)は、水産具材、米とも北海道産の米飯総菜を新たに打ち出した。「秋刀魚めし」「帆立めし」「鮭めし」の3品。主力原料・スルメイカの品薄高騰を受け、代替原料の商品展開で考案。各種販路に売り込んで活路を開いていく。
宮城県漁協志津川支所青年部は7日、昨年12月スタートの試験養殖のヒジキを収穫した。最大で1メートル以上に生育し、加工原料としても問題ないとの評価を得た。養殖事業化に可能性が開け、収益性や人工採苗を検討していく。
試験養殖は志津川湾内の天然ヒジキを座(仮根)ごと採取し使った。ロープに挟み込んだ上で青年部の延縄式養殖施設の幹縄に巻き付けた。3本並ぶ幹縄の両側でワカメを試験し、真ん中でヒジキを育てた。
三陸でまひ性貝毒が猛威を振るい、水揚げに深刻な影響を及ぼしている。出荷自主規制の広域化、長期化により、ホタテは宮城県でストップ、岩手県でも激減。岩手では盛漁期のホヤも主産地で水揚げできず、減産や養殖サイクルの狂いが心配される。生産者は収入が、加工業者は扱いが大きく減り、「いつまで続くのか」と不安だ。岩手、宮城の現状を県ごとに2週に分けリポートする。
えりも漁協の春定置は、トキサケが好調な滑り出しを見せている。地区差はあるものの、「例年より2週間ほど早く量がまとまっている」と同漁協。組成は小型に傾斜、単価は安値基調だ。
7日にスタートし、9カ統が操業。トキサケは20日現在で数量が前年同期比の12.2倍の11トン、金額は11.3倍の1700万円、キロ平均単価は7%安の1545円。
青森県平内町の(株)ハケタ水産(八桁由悦社長、電話017・756・2100)はよりうま味を引き出し、閉じ込めることにも成功した高品質な蒸しホタテ製品を完成させた。チルド品として流通させる。もともとの主力である蒸しホタテに、スラリーアイスやガス置換包装機など新設備を導入し、よりグレードを高めた製品に仕上げた。鮮度を保持したまま消費期限が延長したことで遠い地域にも売り出せる。海外展開も計画する。
5月連休明けに始まった猿払村漁協の春定置はサクラマスが順調だ。例年は5月末ごろから増える特大サイズも出足から揚がっている。一方、ニシンやカスベも大量に乗網しており、単価安で選別の手間もかかるため着業者は困惑気味だ。