Q・B・Bベビーチーズを製造販売する六甲バター株式会社(神戸市)は、新企画・日本の名産ベビーチーズシリーズで湧別産ホタテを使った「北海道産ホタテ入りバター醤油仕立て」を製品化した。こだわりの原料に付加価値を訴求する「ご褒美気分」の商品として開発。原料を提供する湧別漁協オホーツク湧鮮館の小熊篤直販部長は「湧別のホタテ生産に興味を示してくれた。全国に湧別産をPRしてほしい」と期待する。3月から全国の主要な量販店で販売を開始している。
渡島噴火湾の耳づり作業は、6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)とも6月上旬までに終了した。稚貝は各地で順調に成長し、例年並みの本数を垂下したもよう。一部で3月の早い耳づりにへい死が見られる地区もあるが、着業者は「例年並み」と捉えている。昨年の森、砂原、鹿部では、収容かごに大量のザラボヤが付着したことで稚貝の成長不足や耳づり作業の遅延に悩まされたが、今年はそのような状況にはなく順調に作業を終えている。
釧路市東部漁協のさお前コンブは6月27日に初水揚げ。翌28日の操業で計画日数の2日間を消化し終漁した。雑海藻が繁茂する一方、全般的にコンブの資源状況は薄く着生漁場に船が集中。実入りなど生育状況は漁場でばらつきがあった。
標津漁協の春定置は標津沖と薫別沖の2カ所で操業している。5月1日の開始から順調に推移し、トキサケが数量・金額とも昨年より伸長している。トキサケは6月22日現在で前年同期比38%増の1755尾、20%増の1900万円(税抜き)、5.5%高の3800円。サクラマスは9%減の1万2千尾、15%減の700万円、前年並みの490円。
落石漁協で刺網やタコかごなどに着業する小川真一さんは昨年、自身が代表を務めネット販売を中心に手掛ける大伸丸水産を設立。花咲ガニやタコを販売するほかSNSも利用して魅力を発信している。花咲ガニは身入りが良いものを厳選し新鮮な状態でボイル。塩辛くなく甘味があり花咲ガニ本来の濃厚な味わいが特長。漁期中はチルド、オフ期間は冷凍品を販売する。タコは足のほかに、それを薄くスライスした商品も展開。「ゆで方はレア。刺身はもちろん、しゃぶしゃぶにもお薦め」と提案する。
噴火湾の毛ガニかご試験操業が始まった。渡島5単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原漁協)の序盤は日量1隻100キロ程度と苦戦。砂原沖は中主体、長万部沖は小主体と漁場間で組成が異なる展開。一方浜値は大がキロ1万円台前半、中が1万円前後、小が5千円程度と高騰している。
東京都・豊洲市場の北海道産いくら消流は相場が下げ基調だ。飲食店など末端需要が伸びず、引き合いは低調。仲卸業者は「年明けから状況は変わっていない。顧客は価格が下げ止まるまで最少限の仕入れに徹している」とし、過剰在庫を抱えないよう買い付けている。東京都の集計で豊洲市場のいくらのキロ平均単価は5月時点で前年同期比29%安の5361円。歓送迎会シーズンを過ぎて急落。「他の水産物は物価高で高騰する中で、いくらだけが下がっている。当社の仕入れ値はしょうゆが7200円、塩が7900円。昨年同時期はしょうゆ7800円、塩は1万円と高かった」と振り返る。
一般社団法人漁業情報サービスセンターは6月26日、2024年度の定時総会を東京都内で開き、高精度情報の継続的提供による漁業現場への貢献を事業方針などとする全議案を承認した。主力の情報サービス「エビスくん」の新たな取り組み開始を明らかにするとともに、養殖業の振興、洋上風力発電やブルーカーボン活用の動きに伴った沿岸・内湾域向けの情報サービスも充実させる方針。
標津町(山口将悟町長)は6月21日、東京・新宿の飲食店「新宿魚縁一丁目」(中村仁店主)と地場産品の普及に関する連携協定を結んだ。産地と首都圏飲食店が連携し、水産物など標津産品の魅力発信を図り、消費者ニーズを高める。産品をふんだんに盛り込んだ料理を提供しながら、産地と店舗をオンラインで結んだ生配信などイベントも実施し、魅力を余すことなくPR。交流人口の創出にもつなげていく。
全道各地でごみの不法投棄、漁業作業や親魚そ上の障害など一部のマナー欠如者による問題が発生しているサケ・マス釣りの健全化に向け、漁獲量日本一で釣り人も多く訪れる斜里町は1日、「斜里海浜サケ・マス釣りルール」確定版を発布した。アンケートや意見交換などを踏まえ、「お願い事項」に、同時使用の釣竿数3本以内、釣果1日3尾以内を明記。現場啓発などでサケ・マス釣りの秩序確立に取り組んでいく。