オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は、15日解禁の宗谷、20日解禁のオホーツクの両管内とも昨年に続き大中サイズ主体の滑り出し。水揚量も宗谷管内は昨年ほどのハイペースではないものの、全般的に順調。浜値は大中が昨年より安値基調の一方、品薄の小はキロ2千台に付き、大中と小が僅差となる異例の展開でスタートしている。
下北半島北端の大間漁協でウニかご漁が始まっている。殻付で1日2~3トンペースの出荷。激しい身入りの差が価格を大きく左右するが、ハシリの3月は例年並みの好値で生産者に笑顔がみられる。好値は、端境期の貴重な水揚げとなり、北海道など他産地の加工業者にも送られるためだ。
日本の魚の魅力を発信するフードイベント「魚フェス」が18日、東京タワー1階の特設会場で開幕、連日賑わいを見せている。会場を「東の海会場」と「西の海会場」に分けて開催。特に休日は各ブースとも長蛇の列をなし、人気を得ている。
2回目の開催。東の海会場には、北海道、神奈川、静岡、兵庫、博多が出店。西の海会場には、築地、淡路島、鳥取、下関、佐賀の魚メニューが登場している。
各ブースとも、「厳選三種盛り北海丼」(北海道)、「湘南しらすの三色丼」(神奈川)、「豪華絢爛とらふく刺盛り」(下関)、「名物ぶったぎり海鮮丼~炙り明太いくらのせ~」(博多)などのメインメニューのほか、バラエティ豊かなサイドメニューを提供。特に焼き料理は目の前で調理しており、来場者を目と鼻でも楽しませている。
(株)カネカシーフーズ(気仙沼市、昆野直社長)は商品カテゴリーにフローズン(冷凍品)を新たに加える。主力のめかぶを使ったカップ商品で展開、第一弾として全国各地の土産店向けに販売を進めていく。それをベースとした、第二弾、第三弾の商品展開もすでに計画している。
いぶり噴火湾漁協の加工貝(2年貝)出荷がほぼ終漁した。今季は当初計画を2400トン下方修正し1万2200トンに変更。出荷中の漁家も4月上旬の終漁見通しで、同漁協では修正計画に近い最終実績を想定している。
昨年11月ごろから目立ち始めたへい死の影響で今季の出荷量は昨季より約7千トン減産の見込み。現時点の出荷量は1万1千トン程度。
青森県は新年度、水産関係で多彩な新規事業を展開する。西北地域県民局鰺ヶ沢水産事務所は観光客をターゲットに、西海岸(中泊町~深浦町)の魚の魅力を高めアピールして生産者はじめ関係者の所得向上をめざす。魚目当てに鮮魚店は見本市、食堂は試食会場のようににぎわう日が期待される。
「『西海岸の魚』魅力アップ推進事業」で、2カ年を予定。異業種連携を軸に販売促進戦略を策定し、品質向上を図り、刺身など高鮮度なお土産品の開発も狙う。
販売促進戦略は、漁協や県漁連、水産物販売業者、観光協会、県、市町とアドバイザーらで構成を予定する協議会が策定。クロマグロなど高級魚のアピールやブリなど低価格魚の活用方法、情報の整理・発信方法などを協議し、効率的で効果的な販売戦略をめざす。
小樽市の(株)小樽海洋水産(松田亙社長、電話0134・33・6323) は、海藻の商品展開にも力を入れていく。岩手産めかぶと水産具材を組み合わせた海鮮丼シリーズが昨年の年末ギフトで好評を得て、通年化に取り組む。食べ切りの小分け・少量化で個食ニーズに訴求。がごめ昆布で北海道産を前面に打ち出した商品も投入していく。
同社は、道産水産物をメーンに鍋商品、漬魚切り身、一夜干し、魚卵などを製造。歳暮・中元のギフト需要のほか、百貨店のカタログ通販、日本郵便㈱の頒布会などを通じ、産地直送で販売している。
海藻を使用した商品は数年前にがごめ昆布と真昆布を使った松前漬を商品化。いくら、カニ、ホタテの3種類で80グラムの小分けパック。健康志向もとらえ、引き合いが増えており、昨年、岩手県のめかぶ加工業者と知り合い、新たな商品開発に取り組んだ。
明治35年創業の「五辻の昆布」(久世留美子社長)は、本店(京都市上京区)と金閣寺店を構える老舗昆布専門店。主力のつくだ煮や塩吹きなどは京都に関連する美しい絵柄をあしらった包装が特長的で、土産品としても人気が高い。ハート型にくり抜いたおやつ昆布「ハート昆布」も「代名詞的商品の一つ」(久世裕己常務)だ。
山椒、椎茸入りなどのつくだ煮や塩吹きは数十種類展開。京都の寺や景色、舞妓、祭りなどが描かれた包装が目を引き、陳列棚は彩り豊か。「絵ははやり廃りのないタッチ」(久世常務)で数十年前から包装に採用。「京都らしいお土産」と、絵柄で選ぶ買い物客もいる。
苫小牧、鵡川両漁協の冬ホッキ漁は順調にノルマを消化している。ただ浜値はキロ300円前後と安値基調。他産地の水揚げが増え、引き合いが弱まっている。
いぶり噴火湾漁協のアカガレイ刺網が苦戦している。雪解け水の影響で海中が濁る「泥湧き」が例年よりひどいため。水揚げは昨年の半減と大きく落ち込んでいる。
豊浦地区は春先に3軒が着業。2月の休漁後、3月19日現在で前年同期比49%減の1.2トン。第18栄勢丸の竹島浩刺網部会長は、長万部静狩寄り水深60~70メートルで操業し、72反で21日に50~60キロの水揚げ。「いつもは3桁…。春先は毎年覚悟しているが、例年以上に泥が湧いている」と表情を曇らす。