東京都・豊洲市場の北海道産マイワシ消流は荷動きが鈍っている。飲食店向けのサイズは相場の上昇で、利益を出しにくい状況。また、航空便の商材でも鮮度の良さが付加価値として反映されず、トラック便より高単価の分、さらに売れ行きが芳しくない傾向をみせている。東京都の集計によると11月1週目のマイワシの入荷状況は中心組成が70~100グラムと前年同期の100~110グラムより小型。仲卸業者は「今年は全国的に小ぶり。入梅イワシは時期になっても入荷せず、道東産も期待通りの荷は少ない。先が読めない」と仕入れに苦労する。
水産業の発展に欠かせない漁船建造関連業界の役割が年を追うごとに高まっている。原材料費の高騰や人材確保などさまざまな課題に向き合いながら、ユーザーのニーズに応え続ける造船業、搭載機器メーカー。ここでは沿岸漁業で活躍する最新鋭の新造船や船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。
飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ」や鮮魚店「サカナバッカ」を運営する株式会社フーディソンはこのほど、藻場の再生を目的とした「シン・ブルーオーシャンプロジェクト」の一環として、島根県海士町に「リーフボール藻礁」を沈設した。磯焼けの解消とブルーカーボン生態系を守ることで水産資源の増大を目指していく。
第2次石破内閣が11日発足した。江藤拓農林水産大臣は12日の就任会見で、地元である宮崎県の漁業や水産業の現状に触れながら、「漁村を守りたいという強い思いを持っている」と強調。取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、限られた予算にあって直近の課題対応や短期策の必要性を言及、その上で成長産業化に向け将来を見据えた取り組みについての考えを示した。
株式会社極洋の2024年度上半期決算(連結)は、売上高が前年同期比11.5%増の1405億円、営業利益は36.7%増の54億円、経常利益は28.3%増の53億円となり、売上高、営業利益は上期として過去最高を更新した。6日の決算説明会で井上誠社長は「売上高は通期の目標に対して多少のビハインド(達成率46.9%)はあるが、営業利益(同54.6%)、経常利益(同53.2%)は共に順調に推移している」と語り、通期目標の達成に向け「年末商戦はグループの総力を挙げて取り組む」と述べた。
国産水産物のおいしさを伝え、消費の拡大につなげることを目的にした「第10回Fish1グランプリ」(主催・国産水産物流通促進センター構成員 全漁連)が4日、東京・お台場で開かれた。終日快晴に恵まれ、人が賑わうお台場地区での会場も後押しとなり、多くの人が集まって魚食を楽しんでいた。
東京都・豊洲市場のゴマサバ消流は、宮城県産をはじめ入荷が安定している。価格や身質のバランスも良く、仲卸業者らは秋の本命となるマサバの代替商材として売り込んでいる。700~800グラムが中心サイズの宮城県産を仕入れる仲卸は「相場は入荷状況によるが値ごろ感はある。当社の売値でキロ1500円。また、1キロ近い大型は荷受の卸値で千円台後半」と話す。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は6日、新横浜プリンスホテルで秋の例会を開き、本年度上半期事業の実施内容を報告した。輸入昆布は主力の中国産が1200トンの見込みで、このうち約半分を10月下旬までに搬入。また、イベント出展などを通し食育に注力したほか、産地見学・交流会も実施し真昆布の主産地である道南地域を視察した。
ホタテ玉冷の海外輸出に拍車がかかっている。円安水準の為替相場、自国生産の減少、保水加工の輸入不足を背景に米国の買い付け姿勢が強いため。商社筋など荷受各社は「在庫が切れ産地も品薄で追加購入できず注文に応じられない」と声をそろえる。製品相場は米国主導の様相を呈しキロ3千円台後半まで高騰。量販店はじめ内販の末端売価も値上がりしており、年末商戦、さらにはその先の消流に警戒感が強まっている。
イオンリテール株式会社は1~4日、全漁連と協働して漁連・漁協らが選定した地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を販促するフェアを「イオン」「イオンスタイル」など380店で開催した。今年新たにプライドフィッシュとして加わった魚種や、秋季、地域ならではのものを品ぞろえしたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。