2020年度の玉冷消流は、昨年以上の内販消化が最大のポイントとなる。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で輸出が停滞し、国内では居酒屋など業務筋の消費が減速した中、オホーツク沿岸が増産見通しにある以上、関係者の多くは国内消費の拡大に向けた製品価格の下方修正に期待している。一方、産地の玉冷生産能力は限界に達しているとみられ、冷凍両貝・活貝輸出の停滞が長引いた場合、原貝の仕向け先が新たな課題に。関係者は流通停滞の早期解消を切望している。
青森県陸奥湾の2020年度水揚げ計画(案)は成貝・半成貝合わせ7万5600トンを見込んでいる。4月から出荷する半成貝は5万トンを計画、19年度の計画時より2000トン多く試算した。27日の第1回入札では一律キロ100円で妥結。昨年の平均価格より17円安となった。
道産コンブの減産高騰で消費地業者が苦境に立たされている。2019年度の生産も過去最低の水準で推移。中でも道南産天然真昆布はここ数年繁茂不良による大減産が続いており、主力で扱う加工業者は「在庫が減る一方。今までで一番少ない」と現状を吐露。手すき業者は「促成も高く、完全に赤字。事業として成り立たない」と厳しい経営を強いられている。
いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網は、沖のアカガレイが薄漁のため、オカ側でマガレイやクロガシラ主体の水揚げ。浜値はキロ300円前後と例年並みに推移している。着業者によると「マガレイは多少増えてきた」という。
歯舞漁協のタコかご漁は漁期終盤を迎えている。今季は例年に比べて大ダコの漁が長く続き「珍しく1月後半になっても獲れた」と木村金造歯舞たこかご部会長。一方、年明け後主体となるヤナギダコは低調に推移。「例年切り上げ間近に上向く」と終盤の好漁に期待する。
稚内漁協の毛ガニ刺網漁(特別採捕)の浜値が堅調に推移している。日量は昨年並みだが、主体の大中がキロ5000~4000円と昨年に比べ強含みで展開している。
宗谷漁協は、23日の通常総会で2019年決算が承認され、特定組合に移行した。2020年期首の貯金残高が216億9000万円と移行基準の200億円を突破したため。前年度実績を24億4400万円上回った。道内の特定組合は常呂漁協、猿払村漁協に次ぎ3組合目。
全国漁業共済組合連合会(漁済連)は23日、2019年度の「ぎょさい」「積立ぷらす」の支払実績を報告した。それによると、甚大な自然災害、海況異変による不漁の長期化が影響し、過去最高だった前年度を超える773億円。漁業経営が一層厳しい状況に置かれていることを表した。
雄武町の佐藤漁業部は、秋サケ定置の最終盤に乗網するサクラマス(産地名クチグロマス)を使ったスモークサーモン作りを手掛けている。100年以上の歴史を持つ網元の4代目、一人娘として生まれた遠藤友宇子さんが本場・スコットランドで学ぶなど製法を追求し作り上げた逸品。5年前から町のふるさと納税返礼品やネット販売で提供し、雄武・オホーツク地域の食の魅力を発信している。
春限定の生食用殻付きカキ「雪解け牡蠣(がき)」の出荷が、岩手県陸前高田市米崎町で始まった。春の陽光と雪解け水が海に注ぐ3月から5月初旬に最も身入りが良くなるという広田湾米崎産のカキ。今季は約8万個の出荷を目指す。