いぶり噴火湾漁協で稚貝の本分散が始まった。地区や漁家ごとに格差は見られるが、仮分散後にへい死が進んだことから最終的な数量は通常の半分から1、2割程度と大幅に減る見込み。特に採苗器の付着率が低かった伊達地区は、他地区の融通を受けても不足気味の状況下でへい死が進行。来春の耳づりは大幅な減少が予想される。
サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)の稚貝本分散が9月上旬に始まった。採苗は外海・湖内ともに振るわず、仮分散で確保している稚貝を融通し合いながら、必要量の確保に向け慎重に進めている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で、確保した稚貝がへい死し深刻な状況に陥っている。採苗器からの採取、その後の仮分散以降、成長不足や雑物の付着も目立ち、へい死が急速に進行した。地域差はあるものの、生存している割合は現時点で通常時の1割に満たない漁家も少なくない。来春の耳づりは大幅な減少が見込まれる。
オホーツク海沿岸の8月末水揚量は、漁場造成を含め21万3753トンとなった。前年同期比1%減、計画量合計に対する達成率は69%。猿払村、枝幸、沙留、紋別、常呂・佐呂間が昨年の水揚げを上回っている。常呂は3万トンを超えた。歩留まりはピークに達し下がり始めており、8月は北部が10~11%、南部が11~12%。組成は3S主体に4S、5Sの割合が増えている。浜値も頭打ちとなり下降傾向にある。
8月1日に開始した小樽市漁協の仮分散は後半戦に入った。採苗器の付着量は棒網1本当たり1~2万粒。通常より少ないものの計画粒数は確保できそうだ。小型主体のため作業日程がずれ込んでおり、9月前半までかかる見通し。
水産庁は、昨年8月下旬のALPS処理水海洋放出開始から約1年が経過するのに合わせ、ホタテの生産・輸出・消費状況をまとめた。輸出先の多角化が進んでいることを示し、昨年度懸念されていた在庫の過剰積み上がりはおおむね解消されていると認識。今後も国内消費の拡大や輸出拡大に取り組んでいくことが必要との見解を強調している。
網走漁協の稚貝仮分散が8日に始まった。今年の採苗は、不調だった昨年以上に苦戦しており、計画粒数の確保が厳しい状況。ほたて養殖部会長の田村隆理事(第十八幸隆丸=14トン)は「希望的観測でも最終的な生産量は計画の6~7割」と見込んでいる。
留萌管内で始まった稚貝の仮分散が苦戦を強いられている。近年にない極度の採苗不振となり、4単協とも必要とする数量を確保するのが厳しい状況だ。付着量が圧倒的に少ないため、ザブトンかごの目合いより小さい稚貝は玉ねぎ袋に入れ直し丸かごに収容して施設へ再投入している。石田和夫増毛漁協組合長は「少しでも無駄にせず、できることをやっておきたい」と気を引き締める。
サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)で稚貝の仮分散が始まった。外海の採苗は昨年より少なく、湖内の付着も低調のため、ふるいから落ちる下のサイズも丁寧に採取している。着業者は「ぎりぎり間に合う程度」と話し、慎重に作業を進めている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で稚貝採取が始まった。採苗器の付着率は全域的に極めて低く小型のため苦戦を強いられている。漁家ごとに格差もあるが、下のサイズも採らざるを得ない状況。このため陸奥湾から補充する動きも見られる。