コンブの大規模養殖生産技術確立を目指し、理研食品株式会社(宮城県多賀城市、宮澤亨社長)が岩手県大船渡市で実証試験を重ねている。7日に経過を観察する収穫を行い、順調な進行を確認した。従来の水平養殖方式と異なり、親縄にロープを垂直につるす垂下方式2種に取り組む。温暖化の要因となるCO2(二酸化炭素)の吸収源として、脱炭素社会実現へ多様な利活用が進むコンブの大量供給に寄与し、確立した技術の養殖漁業への転用も期待される。
落部漁協かれい刺網部会(宮本弘文部会長)の有志5軒が、促成マコンブの養殖試験事業に取り組んでいる。昨秋に養成を始め、6月下旬に1回目の水揚げを行った。宮本部会長は「直下式のため実入りに差は出ているが手応えは感じている。当面継続していきたい」と力を込める。
本場折浜の促成マコンブは収穫・製品化が最盛期を迎えている。各地区部会長によると今季はコンブが長く、実入りは着業者間でばらつきがあるものの日を重ねて徐々に向上。ただ、水温上昇とともに毛(ヒドロゾア)の付着が少しずつ広がり、例年に比べてコケムシも散見している。
道漁連は3日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万1400トンと発表した。過去最低を大幅に更新する異例の大減産となった昨年度実績(8213トン)に比べて4割増と回復する一方、過去10カ年平均(1万2978トン)比では1割ほど下回り、今季も低水準の生産が見込まれる。
浜中・散布両漁協のさお前コンブ漁は20日に計画日数を消化し終漁した。昨年は資源状況が悪く操業を断念したため2年ぶりの採取。着業者は「順調に採れて良かった」「コンブが揚がると浜に活気が出る」と笑顔を見せる。浜中漁協は6月15日に解禁し19、20日と続けて操業した。山﨑貞夫組合長は「計画の2日間操業でき、2年ぶりにさお前を揚げられて良かった」と安どする。
歯舞・落石・根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、これまでに昨年を上回る採取日数を確保。資源状況も良く好漁する船も多い。実入りや長さなど生育もおおむね良好。昨年が極端な不漁に見舞われただけに、浜は荷揚げやコンブ干しで活気に包まれている。
昆布森漁協のさお前コンブ漁は計画日数(3日間)を消化し終漁した。着生状況は漁場間差があったものの、比較的繁茂している汐見などに船が集中。昨年は資源量が乏しく操業を見送っただけに、2年ぶりの採取に浜が活気づいた。 解禁日翌日の9日に始まり10日、13日と操業した。
利尻漁協沓形地区でコンブ養殖を営む中辻漁業部(中辻清貴代表)は人材育成と併せた養殖規模拡大を視野に入れている。中辻代表の下で5年間経験を積んできた平川力樹さんを筆頭に、同漁業部で働くメンバーが着実に成長。新たに迎え入れた新規就業者にも漁業技術や思いを伝えて組織力を強化、増産につなげる考えで、乾燥施設を1棟新設する計画。既存の大型施設2棟と合わせ計3棟での生産体制を構築し「水揚げを今の倍くらいまで増やしたい」と展望を示す。
日本昆布協会は2日、石川県金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で通常総会を開き、輸入昆布や消流宣伝といった本年度の事業計画や収支予算などを報告した。また、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に瀬川靖副会長(瀬川食品株式会社社長)を選任した。
えさん漁協尻岸内地区の養殖コンブは、5月25日にミツイシの収穫が始まり浜が活気づいている。序盤はコケムシなどの付着物が少なく1、2番切り中心に品質は上々。実入りも順調に進み、着業者は「これから日増しに良くなる」と成長に期待を寄せる。