コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会は10日、北海道大学総合博物館で「北海道こんぶDay~こんぶを楽しむ1日~」を開催した。四ツ倉典滋同会理事長(北大教授)がコンブ生産の現状や課題について講話。子どもが楽しめるアート体験やゲーム、試食には昆布を使った焼き菓子を用意したほか、「利き出汁コンテスト」も実施、来場者の昆布に対する関心を引き出した。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は6日、新横浜プリンスホテルで秋の例会を開き、本年度上半期事業の実施内容を報告した。輸入昆布は主力の中国産が1200トンの見込みで、このうち約半分を10月下旬までに搬入。また、イベント出展などを通し食育に注力したほか、産地見学・交流会も実施し真昆布の主産地である道南地域を視察した。
道は10月31日、第二水産ビルで、第2回目となる「コンブ生産安定対策検討会議」を開き、天然コンブの生産回復・安定化に向けた課題の整理や対策の方向性について意見を交わした。今回は各地域の課題や要望などを整理。コストのかからない雑海藻駆除の手法や技術的指導、研究機関の取り組み・成果の漁業者への共有、減産要因や着生不良などに関する調査を望む声が挙がった。コンブの種類に応じた地域ごとの漁場管理や雑海藻駆除などの対策の必要性についても確認した。
潜水用スーツなどの製作販売・修理を手掛ける広尾町の「KANBARA(カンバラ)」(勘原賢三代表、電話01558・2・4876)は、浜の声を参考に一工夫加えた漁業装備品も製作。コンブなど船採りで使う膝当ては強度の高さと固定力に優れたつくりが特長で好評を博している。
釧路管内の成コンブ採取が終漁した。管内5単協の累計採取日数は昨年比25日減の92日(55.5時間減の297時間)にとどまったほか、全般的に着生も薄く、大幅な減産が見込まれている。昆布森漁協の着業者は「資源量が薄かった上に採取日数も少なく厳しい年になった。特にアツバが振るわなかった。着生漁場を探して採ったが、ナガも含め生産量は落ちる」と話す。
利尻漁協沓形地区でコンブ養殖を中心に営む中辻清貴さんは、農林水産業者の技術改善・経営発展の意欲向上を目的とする2024年度(第63回)農林水産祭(農林水産省、公益財団法人日本農林漁業振興会の共催)の水産部門で最高位の天皇杯を受賞した。
釧路管内5単協の成コンブ漁は、9月単月の採取日数が昨年同月比5日増の42日。ただ7月(27日減33日)、8月(2日減10日)がシケや天候不順で伸び悩み、7~9月の累計は昨年同期比24日減の85日となった。資源状況を考慮し釧路市東部、散布の両漁協が9月で終漁した。
道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを8862トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示した当初見込みから950トン下方修正。昨年度実績(1万2245トン)に比べ28%減、過去10カ年(2014~23年度)平均比では37%下回る大減産となる見通し。
えりも漁協のコンブ採りが終漁した。今季は総体的に繁茂状況が芳しくなく、わずか2日の操業で切り上げる浜もあるなど採取に苦慮。全10地区の累計採取日数は89日(320時間)と前年の228日(796時間)を大きく下回り、大幅な減産が見込まれる。繁茂状況については「2~3月の大シケで抜けた。場所によって差が大きく総体的に陸側は薄かった」と話す。一方で「深みの漁場は実薄だったものの予想以上に着生しており、ねじりで7日間操業でき、最後は浜いっぱい採れた」と表情を緩ませる。
道南・本場折浜の天然はマコンブ主体の水揚げで、総体的に沖側中心に繁茂。今季は銭亀沢や根崎が比較的多く出漁した。一方、ガゴメは資源低迷が続き、着業者は「ほぼ皆無」「1日1本掛かるかどうかだった」などと話す。