浜中・散布両漁協のさお前コンブ漁は20日に計画日数を消化し終漁した。昨年は資源状況が悪く操業を断念したため2年ぶりの採取。着業者は「順調に採れて良かった」「コンブが揚がると浜に活気が出る」と笑顔を見せる。浜中漁協は6月15日に解禁し19、20日と続けて操業した。山﨑貞夫組合長は「計画の2日間操業でき、2年ぶりにさお前を揚げられて良かった」と安どする。
歯舞・落石・根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、これまでに昨年を上回る採取日数を確保。資源状況も良く好漁する船も多い。実入りや長さなど生育もおおむね良好。昨年が極端な不漁に見舞われただけに、浜は荷揚げやコンブ干しで活気に包まれている。
昆布森漁協のさお前コンブ漁は計画日数(3日間)を消化し終漁した。着生状況は漁場間差があったものの、比較的繁茂している汐見などに船が集中。昨年は資源量が乏しく操業を見送っただけに、2年ぶりの採取に浜が活気づいた。 解禁日翌日の9日に始まり10日、13日と操業した。
利尻漁協沓形地区でコンブ養殖を営む中辻漁業部(中辻清貴代表)は人材育成と併せた養殖規模拡大を視野に入れている。中辻代表の下で5年間経験を積んできた平川力樹さんを筆頭に、同漁業部で働くメンバーが着実に成長。新たに迎え入れた新規就業者にも漁業技術や思いを伝えて組織力を強化、増産につなげる考えで、乾燥施設を1棟新設する計画。既存の大型施設2棟と合わせ計3棟での生産体制を構築し「水揚げを今の倍くらいまで増やしたい」と展望を示す。
日本昆布協会は2日、石川県金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で通常総会を開き、輸入昆布や消流宣伝といった本年度の事業計画や収支予算などを報告した。また、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に瀬川靖副会長(瀬川食品株式会社社長)を選任した。
えさん漁協尻岸内地区の養殖コンブは、5月25日にミツイシの収穫が始まり浜が活気づいている。序盤はコケムシなどの付着物が少なく1、2番切り中心に品質は上々。実入りも順調に進み、着業者は「これから日増しに良くなる」と成長に期待を寄せる。
岩手、宮城両県産養殖コンブの湯通し塩蔵の入札会が始まった。昨季は高水温やシケの影響で生産数が伸びなかったが、今季はここまで大きな被害はなく生産は順調。岩手の初回上場数は昨季(7.7トン)のほぼ3倍となる20.6トン。主力となる長切1等の10キロ単価は、高値が4719円。昨季(9千~7千円台)から大幅に値を下げてのスタートとなった。品質への評価は高く、在庫薄を解消したい買受人らの期待が高まっている。
様似町で昆布加工・卸を手掛けるダイシン株式会社(廣田義文社長、電話0146・39・1000)はこのほど、日高産根昆布が原料の「生こんぶ茶」を発売した。昆布茶では初という濃縮液体タイプ。食塩は使わず、根昆布由来の優しい塩味が特長で、希釈して味わう。調味料を加えて昆布だしにもアレンジでき、さまざまな料理に使える。
歯舞漁協は14日、前浜(太平洋側)でコンブの生育・繁茂状況を調べる資源調査を実施した。浅場など流氷被害が確認された場所もあったが、総体的には大減産に見舞われた昨年に比べ着生状況は良く、実入りなど今後の生育促進が期待される。
生産低迷が続く北海道のコンブ。かつて3万トン以上あった道内生産量(道水産物検査協会の格付実績)は近年1万トン台前半で推移し、2019年度以降は4年連続で過去最低を更新。24年度は前年夏から秋にかけての記録的高水温が影響し資源量が著しく低下したため、低水準だった前年実績を3割以上下回る8213トンまで落ち込んだ。過去10年(2015~24年度)平均は1万2978トンで、ピークだった1989年度(3万3505トン)と比べると4割程度。最も多い年でも15年度の1万6763トンにとどまる。