持続可能なミズダコ樽流し漁を目指し、北るもい漁協の苫前いさり部会(小笠原宏一部会長、23人)は北海道で初の漁業改善プロジェクト(FIP)に取り組む。本年度は試行期間と位置付け、実現可能な長期的管理目標を設定。具体的改善計画に基づいた取り組みは2020年度から本格化させ、23年3月までの4年間でMSC認証を取得できる管理水準に向上させる計画だ。小笠原部長は「販路拡大や市場の認知度向上につなげたい」と意欲を示す。
海水温の上昇や栄養分の低下などで全国的に養殖ノリの大減産が問題となる中、道内で日本のノリ養殖の将来を見据えた研究に取り組む研究者がいる。北大大学院水産科学研究院の三上浩司准教授(57)。環境の変化に強いノリの品種改良を目指し日々研究に励む。
留萌管内のエビかご漁が3月に始まった。主力のナンバンエビは増毛漁協が1航海1隻当たり200箱前後と上々。小、小小主体に浜値はキロ1000円前後。一方北るもい漁協は羽幌が小型船5隻で1航海平均250箱と苦戦を強いられている。
宮城県のホタテ水揚げはペースアップが遅れている。例年、大型連休に向け出荷が増えるが、4月中旬から水揚げが始まった昨秋移入の北海道産半成貝も、先行した地種養殖と同様に、成長が鈍くまだわずか。4月下旬で地種含め1日5トン程度にとどまっている。価格は400円台前半から半ば。半成貝は生残率は上がっている模様で、連休明けから水揚げが活発化する見込みだ。
寿都町の株式会社かねき南波商店(南波恭平社長、電話0136・62・2611)は、最新の冷凍技術「3D凍結」で既存商品の高品質化や新商品の開発を進めている。冷凍時のダメージを防ぎ、解凍後もうま味成分などが損なわれないハイグレードの冷凍加工品を生み出し、商品力を一層強化。「おいしい冷凍」をコンセプトに夏以降の商品展開を目指している。
原料の価格高騰を受け、消費地のおぼろ・とろろ業者が苦慮している。とろろ原料で中心となる道南産促成真昆布に加え、利尻加工用も価格が上昇し「大変厳しい状況」と加工業者。白口浜天然真昆布にこだわり、手すきおぼろやとろろをつくる小売兼卸業者は今年から促成も手当て。「店舗開設以来天然1本で続けてきたが、苦渋の決断」と力なく答える。
余市郡漁協や同漁協の着業者3人、道総研中央水試、余市町、後志地区水産技術普及指導所などで組織する「ムールガイ養殖研究協議会」は4月中旬から余市港内で養殖したムール貝(ムラサキイガイ)の試験出荷を始めた。札幌市内の食品卸会社を通じ、同市内や東京のレストランに流通。同漁協は「卸会社から、使用先の評判は上々だと聞いている」と話す。
トーサムポロ沼内で行う歯舞漁協のアサリ手掘り漁が終漁した。漁期前半は沼内の結氷に操業が阻まれたものの、全着業者が漁獲ノルマを達成した。一方、浜値は弱含みの展開だった。
3月に始まったオホーツク海の漁場造成は、4月23日現在で北部、南部合わせた累計数量が約1万6900トンとなった。前年同期より5500トン多いペース。歩留まりは例年並みの7~9%台。各単協で順次値決めを行っており、浜値は前年並みキロ100円程度~2桁後半で妥結している。