森を育て、豊かな海を―道漁連は1日、石狩管内当別町の道民の森にある「お魚殖やす植樹運動記念の森」で毎年恒例の植樹を行い、渡島地区女性連メンバーら57人がミズナラなど約750本を植えた。
記念の森での植樹は今年で10年目を迎えた。渡島地区女性連をはじめ信連、漁協系統関係者、道森連、コープさっぽろ植樹・みどりグループ員などが参加。快晴に恵まれ、汗ばむ初夏の陽気だった。
植樹に先立ち渡島地区女性連の小林佳子会長が「仲間とともに将来へ向けて大きな希望を持ち、豊かな浜になる願いを込めて1本1本丁寧に植えていきたい。また、現在植樹はお魚を殖やすという面だけでなく環境保全という面でも見直されており、いろいろな方々に理解を得られるようになった。これからもお力添えをいただき活動を続けていきたい」とあいさつした。参加者は石狩北部森林組合の福山伊宏さんから指導を受けた後、急斜面を登り植樹に汗を流した。
この日は、ミズナラのほかイタヤとニレの苗木をそれぞれ250本ずつ植えた。 「お魚殖やす植樹運動」は記念の森のほかにも昭和63年度から道内各地で取り組まれ、平成18年度までの植樹本数は全道で計74万6千本となっている。
小林会長以外の渡島地区女性連参加者は次のとおり。
▽石川ゆり子福島吉岡漁協福島地区女性部長▽若山末子えさん漁協尻岸内地区女性部長▽泉てつえさん漁協古武井地区女性部長▽岡山紀子えさん漁協椴法華地区女性部長▽斉藤幸子南かやべ漁協古部地区女性部長▽本間紀子南かやべ漁協木直地区女性部長▽張磨芳子南かやべ漁協安浦地区女性部長▽魚住京子南かやべ漁協臼尻地区女性部長
※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。
(2007年06月04日付)
苫小牧東部地区をステージに、1万人の招待客が集い、天皇皇后両陛下をお迎えして開催される第58回全国植樹祭が、6月24日に迫った。テーマは「明日へ 未来へ 北の大地の森づくり」。
地球環境を誰もが考えなくてはならないいま、「豊かな生態系をはぐくむ森林を守り、育て、次世代にしっかり引き継ぐ」とした大会の基本理念とともに、全国に先駆けて制定した「道森林づくり条例」を発信する絶好のチャンスとし、道はじめ関係各機関は、日程や式次第、行事の最後の詰めに入った。
全国植樹祭の北海道開催は昭和36年、支笏湖畔に昭和天皇・皇后両陛下をお迎えして「積雪寒冷地帯の造林」をテーマに開かれた第12回以来46年ぶり2度目。記念式典・記念植樹会場は、苫小牧東部・静川の、40種を超す野鳥類が確認され自然豊かな「つた森山林」に隣接する元開拓農地。
会場整備は、周りの自然地形や植生に配慮しながら、できる限り環境に負荷をかけないよう工夫している。会場内通路や駐車場の舗装は、近隣で生じた生産過程の排出物フライアッシュ(石炭灰)や木材チップなど自然に返る資源を利用する。
また、招待者の一部に配る帽子には、オーガニック「マニラ麻」を原料に道内の工場で生産された植物性天然紙糸繊維を使用するなど、「環境の21世紀」を意識した植樹祭を目指している。
植樹祭のもう一つのテーマは、準備や運営をともに行う「道民との協働」。当日は1万人の招待客が一つになって、記念植樹をし次世代に向け新たな森林をつくる。その苗木は平成16年から全道各地で小中学生・ボランティアなど多くの人たちが種とり、種まきから大切に育てた約3万本の「協働苗木」だ。
記念式典会場は、北海道らしさをイメージでき、華やかな草花や緑化樹で装う。サービス広場の花壇には、デザインの検討段階から、小学生やフラワーマスターなど多くの人が参加した。
「環境の世紀」といわれる21世紀にふさわしい植樹祭を目指して、会場内では道産木材を積極的に活用している。お野立所と招待者全員が座るベンチは、前回第12回全国植樹祭(支笏湖畔モーラップ)で植栽され大きく育った木々の間伐材を使った。
▽お野立所はアカエゾマツを集成材に加工し柱にして先人から引き継ぐ森づくりの意志を表現する▽木製ベンチはトドマツ、カラマツ、アカエゾマツで計約2800基を作成▽印刷物やしおり、ポケットティッシュに道産間伐材用紙などを使用した。
当日、参加者の昼飯の弁当は、札幌グランドホテル最高料理責任者・小針一夫シェフが考案した。テーマは「アイヌ民族の知恵と食育と安全な道産食材」。苫小牧弁当仕出し協同組合加盟の6社が計1万2千食を賄う。
お品書きの一部は▽白米・あわのしそ風味ご飯▽レンコン、根曲がりタケノコなどと魚のすり身の煮物▽ゴボウのきんぴら▽フキの醤油煮▽ホッキサラダ▽サケの味噌風味▽ハンバーグ。
カラマツ間伐材の小判型弁当箱、下川町の木材から作った割ばしなど北海道産にこだわった。
※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。
(2007年06月04日付)