北海道の秋サケ定置が30日開幕した。今季は40年ぶりに5万トンを切る凶漁だった昨年比13%増の来遊予測で、依然低水準の生産見通し。消流は親製品の売り場回復が途上下、新型コロナウイルス感染症に伴う消費構造の変化など先行きが不透明。今季の商戦展望、流通対策の重点などを道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。
道漁連は今季産から日本発の水産エコラベル「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」の認証ロゴマークを付けた秋サケ商品の拡販を本格化していく。自営工場などの流通加工段階(CoC)認証の取得拡大で生産・供給体制を整備。環境や資源に配慮した定置網漁業の理解促進やMELの認知度向上と併せて北海道産秋サケの消流安定につなげていく。
秋サケの記録的な不漁が続く中、岩手県でサケ・マス類の海面養殖試験に乗り出す動きが相次いでいる。久慈市漁協が(株)ニチモウマリカルチャー(本社・福岡市)などと組み、2019年4月から始めたほか、宮古市や大槌町でも事業化を視野に入れた取り組みが進む。海水温の低い岩手は他県と出荷時期がずれるため、高値取引が見込める。「育てる漁業」で漁協経営の健全化を図るとともに、原材料不足に悩む加工業者への安定供給やブランド化につなげる考えだ。
宮城県青年・女性漁業者交流大会が24日、県石巻合同庁舎で開かれた。魚食普及や地域活性化、資源増殖などをテーマに4団体が日ごろの活動実績を発表。最優秀賞に輝いた県漁業士会南部支部と県漁協七ケ浜支所女性部は県代表として来年3月、東京で開催予定の全国大会に出場する。
地区漁協組合長会会長会議、系統団体、道漁業環境保全対策本部は26日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の適地調査への応募を検討している寿都町の片岡春雄町長に即時撤回と断固反対を訴える抗議書を提出した。抗議書は25日に地区漁協組合長会会長会議を緊急に開き、全会一致で決議。寿都町には代表して道漁連の本間靖敏常務が訪れ、片岡町長に手渡した。
噴火湾の稚貝は各地で順調に付着し、8月中旬までに必要量を確保して仮分散を終了した。渡島管内の一部で収容後にへい死した地区も見られたが、不足するほど深刻な状況ではなく、9月以降順次、本分散に入る見通し。地場産は全域で成長が進み、良型の稚貝を確保している。
宗谷漁協のミズダコ漁が17日から後半戦に入っている。前半は昨年と比べ潮回りの悪い日が多く、樽流しは1隻で日量100~500キロ前後と差が開いた。水揚量は昨年の1割減となったが「すでに千トンを超え例年並みの漁獲量」と同漁協。コロナ禍で浜値はキロ400円台後半と弱含みの傾向が続いており、着業者は2期目の挽回に期待を寄せている。
利尻漁協の天然コンブは、総体的に繁茂状況が良く増産の見通し。中でも仙法志地区が厚生いで、8月28日現在、旗操業で14回採取。同地区で着業する佐々木隆敏理事は「水揚げは順調」と声が弾み「まだまだコンブがある。この後もナギが続いてくれれば」と意気込む。
日高中央漁協様似地区のツブかご漁は、主力の真ツブがコロナ禍による需要減で浜値が低迷、金額が落ち込んでいる。ただ7月に比べて回復傾向にあり、着業者は今後の動向を注視している。
余市郡漁協のウニ漁はコンブが少ないため、例年よりも身入りが芳しくない。出荷量が昨年を下回り、価格は白(キタムラサキ)が品薄を背景に好値で推移している。