道内有数のカキ生産地・厚岸。生産の安定、効率化に向け、近年各種機器の活用で省力化が進んでいる。ホタテ原盤からカキを外す脱貝機が今年度までに養殖業者113軒のうち、半数以上の63軒に普及。カキに付着した泥などを除去する洗浄機も今年、一部漁業者が導入、作業時間短縮効果を発揮し注目を集めている。
マルスイ札幌中央水産株式会社(武藤修社長)は、焼成済みの焼魚シリーズで北海道産の販売拡大に乗り出す。窒素ガス充てん包装で、焼きたての品質を長期間保持。国内の即食・簡便需要に加え、北海道産の人気が高まっている海外市場にもアプローチしていく。
宮城県漁協はカキの品質検査を20日に石巻市の石巻総合支所共販所で実施し、今季のむき身共販開始を29日と決めた。9月中のシーズン入りは震災後初。放卵が進み、順調な身入りでスタートできると判断された。生産見込みは昨シーズン(1699トン)並みの1700トン。台風18号に伴う被害は小さく、良好な出荷が期待される。
野辺地町漁協のトゲクリガニは、3年前のテレビ放送をきっかけに引き合いが強まっている。最盛期の浜値は毎年キロ2000円台と堅調だが、今年は2500円まで上がった。
北海道の秋サケは、平成以降最低だった昨年を大幅に下回る水揚げペースで盛漁期を迎えた。18日に上陸した台風18号で定置網の破損被害も発生。被害規模が大きく、復旧作業に日数を要する漁場や切り上げを検討する漁場もあり、操業に影響。資源減少と自然災害の二重苦に見舞われている。
コンブやウニ、アワビ漁などに欠かせない「箱眼鏡」。着業者の多くが使うこの漁具を専門に手掛ける函館市の中谷製作所(電話0138・46・3828)は、真水の流入などで海底が見えにくくなる現象を解消できる新製品を開発した。長年の懸案改善で、漁獲量の安定や操業効率の向上など漁業経営への貢献を目指し普及に取り組んでいく。
落石漁協所属・有限会社飯作水産のサンマ棒受網船「第八十一北星丸」(鋼船199トン、飯作鶴幸船主)が13日に花咲港で雄姿を披露した。通常の操業と併せ、サンマ船で全国初となる僚船から積荷を受け入れる洋上転載を試験的に実施。高性能のフィッシュポンプを駆使して効率的な操業体制の確立を目指す。同日、公海に向け出漁した。
陸奥湾の採苗は比較的問題なく進んだが、小型が多く、場所によっては満度に採取できない漁家もあった。一時は高水温も懸念されたが8月に水温が下がり今後の成長が期待される。本分散は早い人で9月末、大半は10月頭から始める予定だ。
南三陸町の株式会社マルセン食品(三浦洋昭社長、電話0226・46・2420)は、志津川十日町に本社工場=写真=を新設、4日稼働を始めた。直売店も併設し、店内からは製造工程も一部見ることができる。新たな設備を導入し、新商品開発にも挑戦していく。
えりも漁協の刺網船はサメガレイの活出荷に取り組んでいる。第三十八辰栄丸(9.7トン)の川上辰郎さんは「シケも絡み今は1週間に1回の水揚げペースだが魚は元気。傷みにくいのが特長」と話す。冷凍機で魚槽の水温を低く設定、活力を保ち出荷している。