岩手県盛岡市で11日、県産食品材をバイヤーに向け試食展示し販路開拓・拡大を図る「いわて食の大商談会2025」が開催された。県や株式会社岩手銀行などの主催。出展104社のうち17社が水産関連商品を出品、国内はもちろん中国や東南アジアからも参集した168社・350人超のバイヤーらに対しこだわりの商品を熱心に提案、活発な商談が繰り広げられた。
仙台市若林区の市中央卸売市場に7日、米アラスカ州カッパーリバー(CR)産の新物塩筋子(ベニ子)が今季初入荷した。三井物産シーフードの製品で、日本人職人を現地へ送り、鮮度が良いうちに漬け込んだものをチルド空輸した370キロ(1箱5キロ入り74箱)で、前年の初回入荷時(315キロ)より17%増。塩筋子は宮城をはじめ東北各地で需要が多く、CR産のチルド入荷は初夏限定。鮮魚専門店など業務筋からの引き合いが強く、過去最高値で取引された。
宮城県の気仙沼魚市場がカツオ一本釣漁船によるビンナガの水揚げで活気づいている。今季は昨年より4日早い5月17日に初入港があり、30日には12隻が合計797トンを水揚げ。4日にも一本釣漁船13隻、巻網漁船1隻が入港し今季2度目の750トン超え、水揚げ高2億9700万円。加工原料など引き合いが強く、キロ平均単価は400円を超える好調な出足となっている。
後潟漁協で理事を務める西谷水産の西谷文昭代表(第八正栄丸)は、マボヤ養殖のロープに付着したムラサキイガイの商品化に乗り出した。漁獲対象外のイガイをマボヤ出荷時に取り込みきれいに磨き上げ、大・中・小の3サイズに分類し販売。主に関東・関西の飲食店から高評価を獲得しており、昨年から活貝販売に注力している。
秋田県立男鹿海洋高等学校の新たな小型実習船、第6代「眞山(しんざん)丸」(19トン)が竣工した。ICT(情報通信技術)を活用したスマート漁業への学びを深めるため、各計測機器のデータを船内LANを通じタブレットなどで把握できる情報共有装置など最新装備を導入。時代の変化に対応した水産教育の推進役として期待される。
山形県遊佐町の天然岩ガキ漁が5月23日、吹浦漁港で始まった。初入札では475キロが出荷され、1キロ平均1467円。1個当たりの最高値は640円だった。ハシリとしては身入りも良く、漁業者らは「最盛期にはさらに味わいが増す」とアピール。大半が県内消費で、庄内浜の夏の味覚としてブランド認知され、前年の初入札では高値で1個950円だった。漁期は8月中旬ごろまで続く。
野辺地町漁協のトゲクリガニは、小型かつ薄漁のまま終盤を迎えた。1軒当たりメスで日量15キロ程度と苦戦。漁獲規定外の個体も多く出荷量が伸び悩んだ。一方、浜値は薄漁を映し高値キロ3千円台前半と、昨年より2割高で推移した。
岩手、宮城両県産養殖コンブの湯通し塩蔵の入札会が始まった。昨季は高水温やシケの影響で生産数が伸びなかったが、今季はここまで大きな被害はなく生産は順調。岩手の初回上場数は昨季(7.7トン)のほぼ3倍となる20.6トン。主力となる長切1等の10キロ単価は、高値が4719円。昨季(9千~7千円台)から大幅に値を下げてのスタートとなった。品質への評価は高く、在庫薄を解消したい買受人らの期待が高まっている。
昨年末のへい死で水揚量の大幅な減少が見込まれる青森県陸奥湾の半成貝は、平内町漁協や青森市漁協で大きな打撃を受けた一方、へい死が多少抑えられた漁協もあり成育状況に地域差が見られる。ただ全湾的に苦戦を強いられ、各漁協とも計画数量に到達するかは微妙な状況にある。
宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季入札会が終了し、販売枚数は3億4323万枚(前季比22%増)だった。目標とした4億枚には届かなかったものの、昨季の高水温やシケ被害による減産から一昨年並みに回復した。1枚当たりの平均単価は24円70銭(同9%高)で、昨年に続く全国的な不作傾向で需要が高まる中、高い品質を維持した宮城県産はシーズンを通し高値で推移した。販売総額は84億7802万円(同33%増)で、東日本大震災以降の最高を更新した。