後志沿岸のコウナゴは昨年の薄漁から一転、好漁で終盤を迎えた。道漁連小樽支店によると24日現在で前年同期比4.3倍の799トンに伸長。特に島牧漁協は4月下旬のハシリから盛漁で、着業者は「浜値も堅調に推移し今年は商売になった」と安ど。一方、本州の不漁で大サイズに引き合いがあるものの、全般的に組成がばらつき寿都町などの加工業者は「つくだ煮に適した良品が少ない」と原料確保に苦慮している。
えりも漁協の春定置は漁開始から1カ月が経過、主力のトキサケが5月下旬に入って徐々に乗りだし今後の本格化に期待がかかる。有限会社菱栄協栄水産代表の佐藤勝えりも地区定置部会長は「水温が8度くらいまで上がり、若干増えてきた。さらに上向けば」と話す。
岩手県南部で5月中旬、ホタテの採苗器投入が相次いだ。遅れた昨シーズンに比べればやや早まり、ラーバ(浮遊幼生)の出現なども比較的順調な地区が多い。付着が「不安」という漁協もあり、感触は地区による差が大きい。
釧路管内のさお前コンブは、5月27日解禁の釧路市東部漁協を皮切りに始まる。散布を除く4漁協が操業日程を決定、いずれも昨年より少ない計画日数とした。漁期前の資源調査では総体的に昨年を下回る繁茂状況だった。
水産ギフトを専門に手掛ける小樽市銭函の株式会社エスケイフーズ(小林忍社長、電話0133・76・2950)は今春から干物の一部商品の自社製造を始めた。GSK株式会社(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊冷風乾燥機を導入。従来の加工委託費の低減や工場の稼働率向上と併せて「ふっくら軟らか」など品質特性を生かした新展開で商品力の強化も視野に入れている。
岩手県のウニが今季、期待できそうだ。6月から本格化に向かう。先行する現品入札はハシリから色が良く、コンブなど餌となる海藻の繁茂に3年ぶりに恵まれた様子。昨シーズンまで2年高騰した価格は、現品入札は10万円超え(むき身10キロ値)が多いがやや落ち着き、期間入札は9万8200~8万8000円(シロ)と昨季並みでスタート。
噴火湾の耳づり作業が最終盤を迎えている。昨夏以降に発生した稚貝の大量へい死で全道各地から調達した養殖漁家が大半を占める中、垂下本数は平年の6~7割前後とみる単協が多い。移入した稚貝と地元産の成育率は移入貝の方が比較的高く、垂下本数は漁家によっても差が大きい。
青森、岩手、宮城県の水産加工会社3社が立ち上げた新会社・株式会社山田コールドストレージ(山﨑和大社長、電話0193・65・8836)は、岩手県山田町織笠に本社機能を備えた工場を新設、5月下旬から本稼働を始めた。ガス置換による新包装でめかぶなど海藻製品をメインに生産していく。天然資源の今後に憂慮し、養殖資源に望みをかける形で始まった計画。原料を供給する生産者との共存、その持続する有効性を山田町から発信していく。
鹿部漁協のミズダコはキロ600円前後と安値に振れている。輸入ダコ減少に伴い高騰した昨年と比べ200円程度の弱含みだが「例年並みに戻った」と同漁協市場。樽流しは潮回りの悪い日が多く苦戦気味。タコ箱は大サイズ中心に好漁している。
理研ビタミン株式会社は、2020年度を最終年度とする3カ年中期経営計画を進めており、家庭用・業務用食品とも主力の海藻による総合的な提案を繰り広げ、ブランド価値の向上を推進。国内・海外市場とも収益基盤を強化し、持続的な成長を目指している。