2025年の北海道の秋サケ定置網漁がシーズン入りした。漁期前予測では未知の低生産。加えて在庫薄、海外産の高値相場などで製品単価は強含みの様相で、引き続き、水揚げの回復も見据えた国内外の販路堅守、消流促進が課題に挙がる。道漁連販売第二部の倉地宏樹参事(販売第二部長事務取扱)に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。
道漁連、北海道秋鮭普及協議会は今年の秋サケ生鮮販促で、SNSのLINE広告を活用したターゲティング戦略の新たな消流宣伝を展開する。併せて連動した道産水産物が当たるキャンペーンの当選者を拡充し、訴求力をアップ。POPなどによる店頭販促、動画配信のレシピ提案も引き続き実施し、「旬」や「北海道産」を前面に生秋サケ、生筋子の消費拡大を図っていく。
近年回帰数の減少とともに成熟年齢の若齢化がみられている北海道のサケ。道総研さけます・内水面試験場では成長と生残や成熟との関係が変化してきている状況に着目、解析を進めている。成長と生残の関係では降海1年目の初期生残率が低下する一方、初期成長が上昇傾向で初期の高成長が生残の条件になっていることを示唆している可能性を推察。「変動する海洋環境がサケにとって厳しくなっている表れの一つ」との見解を示す。
商社筋によると、チリ産ギンザケの直近価格は4月の帰路1250円をピークに、この2~3カ月で若干下がり1100円前後で推移。ただ、高値傾向は依然続いており、日本側は慎重な買い付けに徹している。
いくらの原卵で主力のロシア産カラフトマスの冷凍卵は今期も新物搬入が厳しい情勢になっている。水揚げ不振でロシア側の提示価格は45ドルで、日本国内の卸売価格に換算するとキロ9500円に達する状況。流通業者は年内の新物展開が困難と想定し、繰越在庫での対応を見据えている。
青森、岩手、宮城の東北3県の秋サケ漁は2019年度を境に深刻な不振が続く。潮流や餌の環境など温暖化を背景とした海洋の変化で、放流した稚魚が北上しにくくなった可能性などが指摘される。稚魚の大型化や強じん化など回帰率向上に向けた対策を模索するが状況は思うように好転せず、今季も厳しい漁模様となる公算が大きい。
宮城県漁協によると、7月下旬に終漁した2025年の県産養殖ギンザケ水揚げ量は前年比17%増の1万5296トンで、計画数量(1万4500トン)を上回った。種苗数が前年より169トン多い
1434トンと多かったことに加え、例年と比較し大型の稚魚(約190グラム)を海面投入したことが要因とみている。
岩手県でサケ・マス類の海面養殖が活発化している。久慈市、宮古、三陸やまだ、新おおつち、釜石湾の各漁協管内のほか広田湾でも試験養殖が進行中で、2025年の水揚量は前年比65%増の3340トン。主力魚種・秋サケの記録的な不漁が続く中、漁協経営の安定化や地域水産業の振興につなげる狙いがある。県内の「ご当地サーモン」が拡大する中、各産地とも認知向上に力を注ぐ。
太平洋側の青森・岩手沖で好漁のスルメイカ。多くのイカ釣船が集まる中、道南・えさん漁協の所属船も八戸や久慈沖などで操業、型は小さいものの好調な水揚げで推移。今後もイカの北上に合わせて各地で操業していく。
函館市漁協のイカ釣船は主漁場を前浜(津軽海峡)中心に移して操業しているが漁模様は低調に推移している。水温も高く、着業者は「いけす出荷用として魚倉に入れたイカが弱り死んでいく」と影響を話す。