北海道の秋サケは4万5000トンと、40年ぶりに5万トンを切る大不漁となった。魚価も一昨年の異常高騰の影響などで昨年比2%安と伸び悩んで金額は300億円割れ。定置や漁協の経営、増殖事業の運営を直撃し、資源動向の先行き不安が増している。一方、消流は生鮮主導となり、親子とも製品の生産量は低水準。売り場は輸入品主体の動きで、供給不安からさらに縮小が進む状況も懸念され、引き続き販路確保が大命題となる。
野付漁協尾岱沼漁港に水揚げする根室管内5漁協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)の共同海区は、日産150トン前後の水揚げ。巽沖は従来組成より小型で、浜値は出足のキロ400円台から270円前後に下げている。
道南・本場折浜で促成の種付けが11月に終了した。今季はシケが多く、一部で種に雑海藻が絡むなど影響が出たものの、おおむね順調に推移。着業者は今後の生育に期待を寄せる。年明け以降順次間引きを開始、夏の収穫期に向け成長を促す。
増毛漁協のエビこぎ網漁は、9日からナンバンエビ主体の水揚げが始まった。この日は4隻で300箱、高値はキロ1510円。同漁協市場では「本来の水揚量より少ないが序盤としてはまずまず」と話しており、着業者も今後の増産に期待している。
ひやま漁協江差地区のブリの一本釣りは昨年を下回る水揚げペースで推移している。「多いときでも日量が約10尾と振るわない」と同漁協江差支所。江差活じめ鮮魚販売部会の若山博部会長は「総体は昨年比で3分の1程度」と話す。
ライフスタイルの多様化に伴い、食を取り巻く環境は日々変化を遂げている。その変化への対応は製造工程や包装形態でも求められており、食品メーカーや機械・資材メーカーの不断の努力により、「商品」となって消費者の前に反映される。その誕生は、おいしいことを前提に、消費期限の延長や食品ロスの削減など諸課題と向き合った成果でもある。
青森産技水産総合研究所資源増殖部の遊佐貴志研究員は2日、青森市の県水産ビルで開かれた陸奥湾地区水産振興研修会で「最近のマナマコをめぐる社会情勢と生態研究結果」と題して講演した。マナマコの成長速度などを紹介しながら、持続可能な資源管理の在り方を探った。
エンジンオイル販売業者として海洋環境の保護に積極的な株式会社Fuel Efficiency(東京都、岡田康成社長)は販売商品のエンジンオイル「スマートオイル」で水産業への貢献を目指している。11月中旬、同社は国内外の漁業や水産市場をより持続可能にするためのコンサルティングを行う株式会社シーフードレガシーと、環境問題の解決に向けたオイル製品の在り方について話し合った。
釧路3単協(釧路市、釧路市東部、昆布森)のシシャモは、昨年より8回少ない10回の操業で11月下旬に終漁した。数量は昨年比57%減の62トン、金額は40%減の9228万円(税込み)、キロ平均単価は39%高の1488円。釧路市漁協の担当者は「近年まれにみる凶漁」と話す。
ひやま漁協熊石支所と落部漁協は、今年から八雲町の補助を受けトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖に挑戦する。近く1尾800グラム程度の幼魚を購入。港内に設置したいけすで飼料を与えながら、来年6月ごろには3キロを目標に成長させる計画だ。北海道初「道産サーモン」の生産を目指し、3カ年の成育・環境調査結果を踏まえ費用対効果を検証する。