廃棄漁網で再生ナイロンを生産するリサイクル事業が国内で活発化している。千葉県一宮町のEllange株式会社(以下、エランゲ)が浜での買い取りを開始し、漁業者の新たな収入源に転換。再生素材はパタゴニアなど海外の衣料品メーカーが製品に採用を拡大。海洋ゴミ削減と漁業者支援を両立する取り組みとして進展に期待が高まる。
道総研工業試験場は、痩せウニの養殖用配合飼料で、摂餌行動が緩慢なウニの特性に応じた長期間水中で溶出しない「水中保形性」に優れた飼料を開発した。植物由来の微細繊維を添加。試験では既製品に比べて水中保形性が高く、給餌量を約2割削減できる結果を得られた。ウニ養殖で課題となる餌コストを低減、持続可能なウニ養殖の確立に向け、技術の実装・普及を進めていく。
東京都・豊洲市場のウニ消流は11月中旬に入って北海道産、北方四島産ともに品薄感から高値で推移している。シケによる操業回数の低下や、北方四島産の歩留まりも低調なことが、全体的な入荷量不足の要因。価格が高止まりする中、荷動きは限定的で、年末商戦に向けて需要回復に期待が寄せられている。相場はカナダ産が土曜日には8千円台で競られ、それ以外の日も6千円台と高値圏で推移。北方四島産は9千円を中心に取引され、高ランク製品は1万3千円の価格帯。北海道浜中産の天然エゾバフンウニも1万5千~1万3千円と高値を形成している。
訪日客に人気の高いウニ丼専門店の新規開店が札幌市で相次いでいる。運営会社はウニの加工・卸を手掛けており、独自の仕入れルートや加工場直送で一年を通して道内産地から高品質、高鮮度のウニを提供できる強みを生かしている。東京・豊洲市場にウニを出荷する加工卸・㈱札幌カネシン水産(札幌市、石黒淳社長 電話011・676・9531)直営のウニ丼専門店「凪~nagi~」は今年6月にオープン。石黒社長は「ウニは鮮度が命。札幌で四季折々のおいしいウニが食べられることを認知していただきたい」と力を込める。
食品用プラスチック容器メーカーのマルイ包装株式会社(本社・札幌市、酒井恒雄社長)が製造販売する生うにの折詰め用容器「プラ木箱」。高級感とHACCPの衛生管理への対応を兼ね備え、2016年の発売以来、国内のうに加工場に普及。最近では米国主体に韓国、オーストラリアなど海外輸出が増えてきている。
北海道沿岸のウニは日本海を中心に大幅減産した昨季同様、今季も厳しい漁況が続いた。昨季に比べ操業回数が伸長した浜が多かったが、水揚げは依然低水準。一方、浜値はエゾバフンウニ、キタムラサキウニとも強含みの様相を呈している。
ひやま漁協が取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖は、11月に各地区で種苗の搬入が始まった。檜山管内では、2019年の八雲町熊石地区(北海道二海サーモン)を皮切りに、これまでせたな町大成地区、奥尻町(奥尻サーモン淡雪)、江差町(江さしっ子繁虎)が実証試験を実施し、今年度から乙部町と上ノ国町で各支所が養殖部会を立ち上げ3カ年の試験を開始する。
いぶり噴火湾漁協の有珠支所で、アワビとナマコのたも採り漁が始まった。近年、増加傾向にあるアワビは1人日量20~30キロ、多い着業者は30キロ以上と順調なスタート。一方、ナマコは昨年並みの水揚げだが、低迷する中国需要を背景に、浜値は3割安のキロ2千円と安値に振れている。
漁期は11~2月。アワビは今月中旬時点で5人が水揚げ。内城正幸さんは10日に2日分合わせ75キロを出荷しており「量は年々増えている。アルトリ岬沖中心に採れる場所はある程度限られるが、昨年より多い印象。サイズは大・小さまざま。ただ特大は少ない。全体的に小さい感じ」と話す。
函館市漁協の函館サーモン養殖部会が手掛けるトラウトサーモンの海面養殖試験が5期目を迎えた。今期は従来の函館漁港内に加え、新たに外海にもいけすを設置し12日から幼魚を搬入。漁港内・外海合わせて150~180トンの生産を目指して飼育を進めていく。
株式会社フーディソンは7~13日、東京電力ホールディングス株式会社と協業し鮮魚専門店「サカナバッカ」6店舗で「発見!ふくしまフェア」第15弾を開催した。「常磐もの」のヒラメやタコ使用の限定丼や加工品を販売し、オリジナルメニューを豊富にそろえてさまざまな食べ方を提供。フェアは回を重ねるごとにファンやリピーターを増やしており、応援消費だけでなく“美味しいから選ぶ”といった日常の選択肢となる機会を創出している。