人手不足や高齢化が進む近年の漁業現場。外国人技能実習生の受け入れや機械化で活路を見いだす漁家が増える中、網走漁協では東京農業大オホーツクキャンパス(網走市)に通う学生が大きな役割を担っている。一大イベントとも言えるホタテの稚貝放流には1日約850人のアルバイトがバックアップ。毎年8日間の短期間で終わらせる出荷作業に欠かせない存在となった。地域性を生かした人材確保に加え、作業の省力化も強化し課題克服に努めている。
株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した2018年の北海道内水産加工業売上高ランキングによると、函館市の㈱道水が04年の調査開始以降初めて首位の座についた。上位100社の売上高合計は漁獲動向などを反映し、微増ながら3年ぶりに前年を上回った。
いぶり噴火湾漁協の小定置は、サクラマスが好漁した。全地区合わせ前年比9割増の水揚げ。トキサケは短期集中的に入網し昨年並みの9%増。一方後半戦はヒラメが急増した。
首都圏を中心に鮮魚店を展開する東信水産㈱は、セントラルキッチン機能を持つ「東信館」の本格稼働に乗り出す。これまで各店で行っていた加工作業を集約し、店舗での調理時間の削減にもつなげている。自社店舗以外への商品供給の拠点としても活用する。
全漁連は20日、東京都内で通常総会を開き、2018年度事業報告と19年度事業計画を承認した。また、今年を初年度とする第6期中期経営計画を策定。変革期の渦中にある重要な5年間と位置付け、変化に対応できる強固な基盤を構築していくことなどを決めた。
公開市民講座「さーもん・かふぇ2019」が15日、盛岡市のホテルで開かれた。8回目の今年は「ふるさとのさけ」がテーマ。講演で水産研究・教育機構北海道区水産研究所の浦和茂彦研究員は、日本産サケの資源減少は放流稚魚の初期生残率低下に起因すると指摘。遊泳能力の優れた稚魚を飼育、放流する技術開発の必要性を訴えた。
函館市漁協のスルメイカ釣漁は今年も低調な出足となっている。着業者は「低速航行で燃油消費を抑えているが、その分を獲るのも大変」「群れが薄く、空振りに近い日もある」と苦戦。サイズも小さい。
噴火湾のホタテ加工貝(2年貝)出荷が終漁した。7単協(いぶり噴火湾、長万部、八雲町、落部、森、砂原、鹿部漁協)の2018年度シーズンは5月末で前年度比7割減の1万8400トンと大きく落ち込んだ。
昨年、日本初となる冷凍マグロ専用の低温卸売市場がオープンした三崎港(神奈川県三崎市)では、消費者により近い施設においても超低温による設備を導入してマグロの品質を保つ動きが活発になっている。ブランドとしての地位を築いてきた「三崎マグロ」。かつての賑わいを取り戻そうとする関係者の思いを最先端の技術が下支えしている。