株式会社三越伊勢丹ホールディングスはこのほど、「銀座三越」(東京都中央区)の本館地下3階の食品フロアをリフレッシュオープンした。多忙で調理をする時間がないといった消費者のライフスタイルの変化に合わせて簡単に調理できる加工食品や総菜を充実。冷凍食品も拡充し、オリジナルの「銀座四丁目シリーズ」を展開。アルコール急速凍結機で加工した天ぷらや麻婆豆腐をラインアップし“進化系冷凍食品”として打ち出している。東信水産株式会社による冷凍刺身、冷凍すしも販売する。
神奈川県鎌倉市の高齢化率45%の住宅地に鮮魚店「サカナヤマルカマ」が4月26日オープンした。魚好きの有志者らが中心となり、クラウドファンディングで開業資金の一部を確保。店舗運営について24日に会議を開き、同店を起点とした魚食文化の発展について意見交換した。
鹿部町のたらこ・めんたいこメーカー・株式会社丸鮮道場水産(道場登志男社長、電話01372・7・2523)は、前浜産の生卵で手掛ける味・食感を追求し、生み出したロシア産冷凍卵の商品「玲瓏(れいろう)」の拡販に乗り出している。昨年から町のふるさと納税返礼品では通販で人気のスタイル「定期便」も打ち出し、消費機会を高めている。
香深、船泊の礼文島2漁協のナマコけた引漁は、例年に比べてナギが使えたことに加えナマコの入り方も良く順調な水揚げで推移、ノルマ達成船から順次終漁している。ただ浜値はキロ3千円台中心で昨年を下回っている。2月1日にスタート。120グラム以上が漁獲対象。それ以外は海中還元し資源保護に努めながら操業している。
北海道産タコは昨年来、空前の高値に付いている。2年連続の2万トン割れとなり、供給量が低水準。加えてアフリカダコの搬入が不安定で加工原料の代替需要も影響し、煮だこ製品が品薄状態。今年も水揚げが低調な出足で生産面では好値継続の様相だが、消流面では価格先行に限界感も存在。今後の漁況や消費動向次第の先行き不透明感も漂っている。
道内外の卸売市場に噴火湾産の鮮魚・活魚卸を手掛ける鹿部町の海鮮商店(木元貴光代表、電話01372・7・3254)は、ツブやホッケなど前浜産の付加価値加工品の開発・販売にも取り組んでいる。特にミズダコの頭をうどんのように切った「たこうどん」が2年前の商品化以来、ネーミングのインパクトも受けてSNSやメディアに取り上げられるなど看板商品に成長。鹿部産の発信に一役買っている。
昆布巻き専門に札幌で50年近く製造販売を手掛けてきた札幌こんぶ屋の店主・桑折廣幸さんは今年2月、故郷のえりも町庶野に拠点を移し新たなスタートを切った。自身の段ボールアート作品を展示する美術館の一部を「昆布巻研究所」に改装し厨房として利用。さっそく近年水揚げが増えているブリを使い新商品も開発した。店舗は持たず通販中心に来館者にも販売する。「昆布巻き文化を継承していきたい」と思いを語り、講習会などを開き若い世代への普及にも力を入れていく。
混獲、小型などの規格外、なじみがないなどの理由でマーケットにあまり出回らない「少流通魚」や「未・低利用魚」。物価高の生活防衛術などの観点、サステイナブルや食品ロス削減などの時流を捉え、最近はテレビ番組などがスポットを当て、その利用方法の紹介で出演依頼が相次いでいるのが札幌市西区西野の鮮魚店「鮮魚鯔背(いなせ)」(小野真代表、電話011・303・9101)。2008年の開店当初から扱って調理・料理方法を訴求、固定客をつかんでいる。
ホタテ玉冷の2023年度消流は、景気後退に転じた欧米の需要動向に加え、福島第一原発処理水放出後に懸念される海外の水産物輸入の対応が注目される。米国の産地供給量は昨年以上に減少するため輸出に有利な情勢とみる向きもあるが、世界的金融不安や物価高に伴う消費停滞の高まり、中国の米国向け保水加工原料の増大といったリスクも流通環境に及ぼす影響が大きく、足元の国内消費を軸に冷静な価格帯でのシーズンスタートが期待されている。
加工機や包装機などを幅広く取り扱う食品エンジニアリング商社、NASCO株式会社(千葉県松戸市、中村剛太郎社長)は3日、札幌支店を開設した。ショールームを設置してテスト運転に応じ、北海道のユーザーに対して同社サービスをより行き届かせる。「お客さまからの要望が多く、当社としても以前から設置したかった地域。専属スタッフも充実させてアフターサービスも万全」と中村社長は語る。待望の拠点が運用を始めた。