春漁を迎えた北海道産タコの製品相場が不透明感を抱えている。新型コロナウイルス感染拡大で消費動向に加え、アフリカ産の水揚げや欧州勢の買い付け動向など不確定要素が存在。加工流通筋は需給構造の先行きが読めず手探り状態。一昨年の高騰に比べ落ち着いた相場で推移してきたが、アフリカ夏漁の動向次第では道産タコの引き合いが強まるとの見方も出ている。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)は、4月24日時点で7割の稚貝出荷が終了した。規定殻長は20日から3.5センチに上がり、1かご(20キロ)当たりの平均粒数は軒並み1800粒前後と成長が進んでいる。
総菜メーカー、(株)ヤマザキ(静岡県)のグループ会社で昆布の1次加工を行う(株)北海シーウィード(福島町)は、3月下旬に今季の操業をスタートさせた。福島吉岡漁協の促成養殖の間引きコンブなどを仕入れ乾燥・刻み加工。3年目の今年は、7月20日までで昨年実績の約1.8倍となる生原料500トンの加工を見込む。
オホーツク管内北部3単協(雄武・沙留・紋別漁協)の毛ガニ漁は、資源量低下を背景に過去最低水準の薄漁に陥り苦戦している。価格も高値圏ながら、昨年に比べてやや弱含みで展開している。
日本海沿岸のニシン刺網は道水産林務部の集計(速報)によると、10日現在で前年同期比58%増の2670トンに達し、1996年に種苗放流事業を開始以降最多だった2018年(2596トン)を上回った。
道経済部は23日、新型コロナウイルス感染症の影響で緊急的に人材を必要としている企業などの求人情報を提供する「北海道短期おしごと情報サイト」を開設。活用を呼び掛けている。問い合わせ先は道経済部産業人材課人材確保支援係(電話011・251・3896)。また、札幌商工会議所も21日にホームページ内に同様のサイト「新型コロナ雇用対策掲示版 ジョブボード北海道」を開設。掲載無料。情報の掲載を希望する道内企業や農漁業者らを募っている。問い合わせ先は札幌商工会議所人材確保・活用課(電話011・231・1772)。
松前さくら漁協白神地区のタコ漁はかごやいさりで操業する。かごの鳴海政樹さんは12~2月にイシダコが好漁に恵まれたが、4月に入って苦戦。浜値も弱含みだ。12~2月の日量が70~80キロ、多いときで100キロ。「イシダコばかりが獲れた。大きなもので3~4キロサイズ」と話す。ただ漁は徐々に下火に。4月17日は20キロ程度。「3月はもう少し獲れていたが、4月に入ってかご入りが悪くなった」と肩を落とす。
プラスチック容器メーカーの中央化学(株)は冷凍商材に最適なトレーを開発・生産している。顧客の要望をヒアリングしながら設計。素材の特徴と消費者の利用を細かく分析しながら作り上げていく。近年は冷凍総菜の需要が伸びているのを受けて、一食分で食事が完結する麺や丼ものなどに使われる容器の開発に注力。汎用性の高さから水産物への応用が期待できる。
枝幸町の海洋食品(株)(三國浩司社長、電話0163・62・3731)は、主力の水産缶詰でサラダなど「料理用」の新たな商品戦略を打ち出した。水煮のほぐし身で、料理全般の食材利用に訴求。第1弾で2月に北海道産のベニズワイガニを発売し、シリーズでホタテもラインアップ。小量化で売価も手ごろな価格帯に設定。従来のギフトから日常の食卓に需要拡大を狙っていく。
水産庁のアンケート調査によると、東日本大震災で被災した水産加工業者のうち「売り上げが震災前の8割以上に回復した」と答えた青森、岩手、宮城、福島、茨城5県の事業者は半数の50%。前年度より8ポイント増えたものの、依然として低い水準にとどまっていることが分かった。