活じめ鮮魚「船上一本〆」を水産物の付加価値・ブランド化事業に位置付ける標津町。地域HACCPの厳格な衛生管理に取り組んで、まちの象徴でもある秋サケでは、地元企業が昨年から関東圏に構える飲食店でメニュー提供。食材の調理加工を地元加工業者が担う。船上から最終消費者まで活じめの経済価値をつなぐ窓口もでき、地域連携で需要拡大に挑んでいく。
湧別漁協はこのほど、玉冷製造委託先の株式会社小谷商店に株式会社ニッコー(釧路市)製自動ホタテむき機「オートシェラー」を導入した。昨年の有限会社マルヤマ山口海商に続いて2台目。今回は手作業のホタテ投入も機械化。投入部分を経済産業省の「中小企業経営支援等対策事業」に補助申請している。
「峩朗(がろう)カキ」のブランドで展開する上磯郡漁協上磯支所のカキ養殖は、着業軒数や施設基数を増やすなど規模を拡大、8月に昨年を7万個上回る約16万個の半成貝を知内地区から搬入し今季の養殖を開始する予定だ。
宮城県北部のタコかごが好漁だ。南三陸町市場では連日1トン以上を水揚げする船もある。7、8月の沖底船休漁で空く沖漁場での漁獲が多く、例年なら数日で漁落ちするが、まとまった水揚げが続く。混獲の灯台ツブ(沖ツブ)、毛ツブも値が安定し、良好なシーズンとなっている。
えさん漁協の養殖はミツイシの生産が終了、促成マコンブの水揚げ・製品化を進めている。日浦と尻岸内は1月の低気圧で大幅に脱落したものの、補殖(予備のコンブ)などで復旧。両地区の部会長は「昨年並みの数量になるのでは」と予測する。一方、全般的に穴開きが例年より早く発生。2番切りがとれず、「減産見通し」という浜もある。
宗谷漁協のナマコけた引漁が不調だ。資源量が少なく加えてシケで操業できない日が多いためで、浜値も前年よりキロ1000円ほど安値で推移。着業者の表情も曇りがちだ。
全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は14日、各県のJFグループ一押しの旬の魚をアピールする「プライドフィッシュ」プロジェクトの進ちょく状況や今後の取り組み方針を話し合うサポート協議会を東京都内で開いた=写真。卸売や流通、外食関係などの団体、企業がメンバーとなっており、意見を交わした。
宮城県のホタテは盛漁期も高値が続く異例の展開となっている。7月は420円で、下旬は日産40トンペース。生玉、活貝加工とも採算は厳しく、買受人から400円以下を求める声が強まっているが、生産者側はへい死増加による減産見込みを背景に高値に固執。買受人によっては、高値でも扱いを増やしたい、県外搬出を止めたいという思惑もあるようだ。
網走漁協のタコ箱漁は7月頭から好転、1隻日産1~1トン半と好漁だ。サイズは1尾10キロ前後が主体。6月まで苦戦した着業者は盛漁期の増産に期待を寄せている。
鯖ずしの製造販売からサバ料理専門店の経営までサバ一筋でビジネス拡大に挑んでいる株式会社鯖や(大阪府豊中市、右田孝宣社長、電話06・6335・2204)・株式会社SABAR(同)。特にとろさば料理専門店「SABAR」は趣向を凝らしたメニューと店作りで創業地・関西だけでなく、東京でも人気店となり、外食業界に新風を起こしている。漁場が北上し、近年道東沖でも好漁が続くサバを生かした独特の商機拡大法を追った。