北海道産毛ガニの供給量は今年も低水準が続く。許容漁獲量が太平洋側の日高海域は過去最低の前季同数(19トン)、釧路東部海域(昆布森・厚岸・散布・浜中の4漁協)も低位の前季同数(48トン)。加えて3月に開幕する主産地・オホーツク海域が755トンで前季より90トンの増枠ながら史上ワースト3番目、3年連続で千トンを下回る。一方、異常高騰した2024年産は年末需要期の消化が鈍く、冷凍在庫が繰り越し。今季の消流は価格が下降の様相だが、ホタテの減産見通しなどが絡んで流通業者は高止まりの展開も注視している。
根室海峡のけた引漁が始まった。管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)の野付尾岱沼共同海区は1月に4海区で開始し、全5海区がそろった2月から日産300~350トンの水揚げ。サイズは例年並みの大型組成に戻り、浜値も高値基調で推移している。
戸井漁協小安地区は4年前に促成養殖で成熟誘導技術(人工的に子のう斑を形成させる技術)を他地区に先駆けて導入。高水温下の2023年も採苗遅れはなく、導入以降は毎年安定した種苗生産を行えている。従来より沖出し時期が前倒しされ海面養成期間を長く確保できるため、着業者は生育面でも効果を実感している。
ひやま漁協瀬棚支所の寒ノリ摘みは漁場に着生する岩ノリの成育が良好。1月12日に開始した島歌地区のゆき丸水産(斉藤陽介代表)は前年比2倍に増産している。
野付漁協の特大ホッキブランド「野付龍神ジャンボホッキ」がキロ千円台後半と過去最高の高値で推移している。ホッキ全体の水揚量はシケや減船の影響も重なり昨年より減少しているが、大でも千円前後と好値を付けており、減産を浜値でカバーしている。
株式会社極洋は2025年春の新商品として、市販用商品4品、業務用商品31品の合計35品を3月1日から順次発売する。家庭だけでなく、人手不足が深刻化するプロの現場向けに、調理の負担感を低減させる水産素材を意識し、「手軽に満足!魚をもっと好きになる」をテーマに商品を開発した。製法を変えるなどして磨きをかけ、さらなるおいしさを追求している。
東京都・豊洲市場の北海道産いくら(しょうゆ・塩)消流は、末端が仕入れに二の足を踏む高止まりで荷動きが鈍っている。ただ、一部の仲卸業者は小分けで販売単価を抑えるなど需要獲得を図っている。卸値はしょうゆの一番手がキロ1万1500円、塩が1万4千円。北米産マスいくらは6900円。
ウトロ・斜里第一・網走・西網走の4漁協、北見管内増協、網走・斜里・小清水の1市2町などで構成する「オホーツク東部地区さけます等資源対策協議会」(会長・馬場浩一斜里第一漁協組合長)は3日、道水産林務部・建設部に対し、船・海浜でのサケマス釣りや、野生魚のそ上河川保護のための河口の規制強化、密漁対策支援の4項目を柱とするサケマス資源対策を要請した。馬場会長をはじめ、深山和彦ウトロ漁協組合長、新谷哲也網走漁協組合長、石館正也西網走漁協組合長、水谷洋一網走市長、山内浩彰斜里町長、久保弘志小清水町長らが道庁を訪れ、道水産林務部では岡嶋秀典部長に要望書を手渡した。
GSK株式会社(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊低温冷風乾燥機「テイストモディファイア」は、独自の「鮮じゆく製法」で最良の食感・うま味を持つ「ソフト干物」をつくり上げる。導入現場は加工場や小売店など水産関係の広範に及んで、魚の価値向上、柱商品・特産品の創出をはじめ低利用魚、規格外などの活用も後押ししている。
岩手県宮古市・重茂漁協の早採りワカメ「春いちばん」が生産のピークを迎えている。1月20日に出荷を開始し、2月20日までの生産となる。日量350キロのペースで生産。1カ月間で10トンの生産を見込む。今の時期しか食べられない「シャキシャキ、つるつる」の食感に引き合いは強く、重茂地区のワカメを一足早く消費者に届けるPR役となっている。