羅臼漁協のマダラは今年、昨年を大幅に上回るスタートを切った。23日現在で数量は前年同期比3.6倍の1075トン、金額は同2.5倍の3億1300万円と伸長。ただ「漁は徐々に減っている」との声もある。
前浜で操業する刺網業者は「開始直後の漁が良かった」と話す。序盤は「たまり魚」が獲れ初日は400箱。2日目も同量程度を揚げた。「たまり魚は、その年で漁に良しあしがあるが、今年は昨年より揚がった」と話す。ただ3日目から徐々に減り、5日目には100箱獲るのも厳しい状況に。「今は50箱まとまるのも大変」と減少傾向で推移している。
余市郡漁協のタコ漁が好漁だ。特に昨年10月に始まった空釣縄はハシリから好調で、漁がまとまれば1隻当たり約1トンを水揚げ。一方、浜値も昨年を上回り、金額を伸ばしている。
約14隻が操業。昨年4月から1月11日までの水揚げ(いさり漁含む)は数量が前年同期比72%増の155トン、金額は約2.4倍の7500万円、キロ平均単価は40%高の483円。
道女性漁業士の食育研修会が18日、札幌市の第2水産ビルで行われた。日本昆布協会の消費拡大事業をサポートする「昆布大使」の金子由美さんが講師を務め、美容・健康効果などを解説したほか、8種類のだしの飲み比べも実施。コンブ産地を中心とした参加女性漁業士らは成分含有量やうま味の相乗効果などについて知識を深めた。
加工貝(2年貝)の大量へい死が発生している噴火湾の今季計画量は、7単協合わせ21000トンと試算された。昨季実績比67%減と低水準で、一昨年に近い数量まで落ち込む見通し。渡島6単協は長万部、落部が4千トン台、ほか4単協は2千トン前後に下方修正。出荷は2月以降本格化する。
福島県の新たな種苗生産・供給拠点として「水産資源研究所」が発足、本格稼働が目前に迫っている。火力発電所の温排水をヒラメ、アワビ、アユなどの生産に活用。資源の管理研究なども行う。施設は相馬市と新地町にまたがって新設され、沿岸漁業の復興の拠点としても期待される。
クジラ肉を使ったメニューを提供するフードフェスタ「恵比寿鯨祭(げいさい)」が24日~2月6日の期間、東京・恵比寿で開催している。主催は地域住民で構成する実行委員会で、日本捕鯨協会や日本鯨類研究所が協力、水産庁も後援している。「えびす神の化身=クジラ」という伝承にあやかり、「目黒がサンマ」なら「恵比寿はクジラ」と新たな鯨食文化継承のきっかけを創出。地域活性化も狙っている。
釧路機船漁協(金井関一組合長)は、スケソ加工品の製造販売を本格化する。導入したGSK(株)(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊冷風乾燥機で適度に水分を除去し、解凍時のドリップを解消、身がふっくら焼き上がるフィレーを開発。料理食材での普及や付加価値商品の拡充で、主力底魚の利用拡大を進めていく。
道産カキ主力のサロマ湖では、1月の浜値がむき身で昨季の半値に近いキロ千円に下落した。昨年末から出荷量が増えたことに加え、他産地起因の食中毒発生に伴う末端の買い控えが影響。19日以降は回復基調で1900円に上昇したが需要最盛期の消費低迷に関係者は苦悩。今後のインバウンド需要に期待を寄せている。
商戦が後半戦に入った北海道産マダラ。今季は「礼文島の水揚げが好調なのが特徴」と複数の関係者が指摘。特に昨年内は札幌市場の卸値が弱含みになるなど「他産地の浜値や消流動向を左右している」と示す。一方、日ロ地先沖合交渉が昨年内に妥結せず、継続協議となっており、加工筋を中心に今後の需給に影響を及ぼすという観測も出ている。
釧路市の魚卵メーカー・北海食品(株)(佐久間章社長、電話0154・57・2339)は、アジアなど海外市場へのいくらの輸出に乗り出している。昨年1月末にいくら加工で厚生労働省の対米輸出水産食品取扱施設の認定を取得し、新規取引先の獲得に加え、自社独自の直接ルートも確立。今後も需要伸長が見込まれるアジア圏を中心に海外戦略に取り組んでいく。