札幌市の食料品卸・株式会社エスワイエスウイング(依光博文社長)は3月中旬に札幌市豊平区に食のセレクトショップ「らうすプラス」を構えた。干物やサケをメインとした水産品に、全国各地から取り寄せる名物商品を“共演”。併せて羅臼町認証店として羅臼昆布など特産品を取りそろえ、道都・札幌市民の魚食拡大に臨んでいる。
凍結機器の製造会社や、機器を専門に扱う商社が冷凍食材を自ら販売する事業に乗り出している。食材の品質を損なわない急速凍結といった技術を盛り込んで事業を展開。専門会社直結のノウハウが詰まった食材・商品構成に注目が集まる。これまで流通する機会の少なかった地方の産品にも焦点を当て、その販路開拓に役立てている。生産者が高品質な食材を適正価格で販売できる新しい流通の形としても期待が高まる。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被災した水産加工業者のうち、「売り上げが震災前の8割以上に回復した」と答えた福島県の事業者は21%(前年度比7ポイント減)と低い水準にとどまることが水産庁の2020年度のアンケートで分かった。宮城県は57%(同1ポイント増)、岩手県は51%(同7ポイント増)と回復基調にあるものの、被災3県の販路が依然広がっていない実態が明らかになった。
日本熱源システム株式会社(東京都、原田克彦社長)は、二酸化炭素(CO2)単一冷媒を採用した冷凍機を開発し、「スーパーグリーン」シリーズとして製品化している。地球温暖化防止など国際的な枠組みでフロン対策が求められている中、フロンガス規制にかからない、未来にわたって使用できる環境冷媒として提案する。その上で省エネ性でも競合品を凌ぐシステムとして導入を推進している。
冷凍技術「イータマックスシステム」で知られる中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)は、二酸化炭素(CO2)のみを冷媒とし、極寒や猛暑といった苛酷な外部環境下でも安定的に運転する冷凍機を開発した。しかも、既存のシステムに比べて格段の省エネ効果が得られるという。北海道や東北、北関東では代理店を長年担う井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する。地元・北見での検証でも問題なく稼働し、成果が得られた。開発と販売の最高タッグで、発想を変えた新たな冷凍システムとして本格展開する。
飲食業などを営む札幌市の株式会社WINST(加藤大吾社長)は、新規事業で水産加工に乗り出した。常呂漁協の若手漁業者で組織する「マスコスモ合同会社」(柏谷晃一代表)など産地仕入れの北海道産を扱う「あくと水産」と、規格外魚の有効利用など食品ロス削減活動を掲げる「SFPlab」の2ブランドで商品展開。「楽しい」の演出を加えた「新たなおいしい」をコンセプトに全国発信に臨んでいく。
岩内町の一八興業水産株式会社(紀哲郎社長、電話0135・62・1811)は、レトルト加工の設備・技術を生かし、カジカやソイなど前浜で水揚げされ、従来原料に低利用魚の加工・販売に取り組んでいる。「一八食堂」と銘打って、骨まで軟らかく食べられる煮魚に作り上げ、味付けも多彩にシリーズ展開。価格評価が低い魚の付加価値を加工技術で高める原点に臨んでいる。
コロナ禍の影響を大きく受けた玉冷消流。内販は外食産業で苦戦しているが、巣ごもり需要に伴う量販店やテイクアウトを生かした回転ずしは順調に消化している。一方、海外では需要回復の兆しが顕著で在庫確保に向け輸入が加速。期首在庫は昨年の3500トンを下回る予測で、2021年度シーズンを迎えた消費地では新物のサイズアソートと冷静な価格帯に注目が集まっている。
第26回全国青年・女性漁業者交流大会(全漁連主催、東京)で、宮城県漁業士会南部支部(30人)の成果発表が最高賞の農林水産大臣賞(流通・消費拡大部門)を受賞した。管内のこども食堂にのりなどの水産物を無償提供。子どもたちとの交流も図りながら、魚食普及に励んでいることなどが評価された。同支部は「県全体に取り組みが広がれば」と期待する。
東日本大震災で被害を受けた宮城県の水産加工業者のうち、生産体制の復旧が「完了済み」と答えた事業者は88%に上ったことが県のアンケートで分かった。施設整備などがほぼ終わったことを受け、今後の復興事業の中心はブランド化推進や企業連携コーディネートなどのソフト面に移る見込みだ。