マスク着用が「個人判断」となるなど新型コロナウイルス対策が緩和される中、百貨店を中心とした催事関係の試食試飲は現在も禁止の店舗があるほか、提供可能店舗でも制限が設けられ、出展する昆布業者は商品の訴求に苦心している。
噴火湾の加工貝は、さまざまな思惑が交錯し、高値キロ400円台前半と高騰している。仕向けは大半が中国向け冷凍両貝と見られるが、加工筋は「高過ぎて商談が進まない」と実情を漏らす。一方森、砂原ではまひ性貝毒の自主規制で330円に下落したが、冷凍ボイル加工業者は「それでも問い合わせがない。玉冷の荷動きが鈍いためボイルも同調している」と困惑している。
いぶり中央漁協のかご漁が2日に始まり、主力のヤナギダコは11日現在で前年同期比43%増の16トンと伸びている。ただ着業者からは「タコは昨年に比べ若干多い。それほど多く獲れている実感はない」などと現状を捉えている声が複数上がった。一方のエビもナンバン、ボタンが前年を上回るペースで推移するが「全体的にエビは薄い」と話す着業者が多く、今後の増産に望みをつなぐ。
東京都・豊洲市場の北海道産ミズダコ(足・皮むき済み)消流は販路がほぼ飲食店に集中している。昨年10月から年末にかけての高騰は落ち着いたものの、依然高値で推移し、量販店からの引き合いが乏しい。飲食店では端材になる先端や吸盤も「タコぶつ」などに調理し提供、ロス削減でコストの吸収に注力している。
株式会社八戸フーズ(青森県八戸市、関川保幸社長、電話0178・45・7661)はサケ・マス類の加工に力を入れる。マレル社の小骨抜き機(ピンボーンリムーバー)を2月に導入。5月から岩手県大槌町産養殖ギンザケのトリムC出荷を新たに始める計画で、北海道産秋サケなども含めて年間取扱量は前年比10倍の500トンに達する見込みだ。圧倒的な精度と時間効率を誇る同機が事業拡大をサポートする。
むかわ町の有限会社丸中舛岡水産(舛岡博美社長、電話0145・42・2178)は、主力商材・シシャモの水揚げ不安定化をはじめ、ポストコロナ社会、物価高騰など魚食や経営をめぐる変化を踏まえた業務展開の道筋を探っている。一策が1次処理・2次処理の加工度で日常の食卓に上る商品形態。所有原料を生かし、ホッケを手始めに打ち出していく。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は14日、札幌市の京王プラザホテル札幌で第59回全国水産物大手荷受・荷主取引懇談会を開いた。主要魚種の長引く不漁、労働力不足やコスト上昇、物流などの問題、ポストコロナ社会の変化などに適応しながら、道産水産物の安定供給、価値向上に二人三脚で臨んでいくことを確認した。
株式会社ニッスイは、2016年から中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)が行っていたバナメイエビ陸上養殖の事業化に向けた事前調査について、環境負荷を抑えながら高品質な製品の安定出荷にめどがついたことから、4月1日から水産事業第二部の事業として運営を開始する。同センターが引き続き技術面をサポートする。23年度に年間110トン、27年度までに既存の施設で年間140トンの生産を計画する。また数年間で事業性を再評価し、増産を検討する。
別海、厚岸、紋別の漁業関係者らが6次産業化を推進する「北海道フィッシャーマンズプロダクション(FIP)合同会社」を昨年11月に立ち上げた。現状では各自が扱う商品を新会社のECサイトで販売。「漁師による漁師のための会社」という理念を掲げ、将来的には他の漁業者との連携やSNS発信、マーケティングなど多岐にわたる分野でのコンサルティングを視野に入れている。
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ徐々に人の動きが戻る中、観光地や商店街で商いをする昆布専門店は、人出の中心となる若者や外国人観光客を意識した商品展開に加え、だしの提供も行うなど昆布食文化の発信に努めている。