第23回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー(大日本水産会主催)が8~10日、東京ビッグサイトで開かれた。コロナ禍で深刻なダメージを受けた水産業界をサポートするため、国内外の水産物や関連商材を紹介、生産者と需要者に出会いと情報交換の場を提供。実際に展示品を見、来場者と出展者顔を合わせての対話は、バーチャル商談会では伝えられない熱気を帯びた。
全国漁港漁場協会は10日、「新長期計画策定に向けた全国集会」を東京・東新橋のニッショーホールで開催した。「夢と活力のある漁港漁村を次世代へつなぐ」をテーマに、全国から関係者約250人が参集し、漁港・漁場・漁村の整備促進に向け機運を高め、提言を取りまとめた。
岩内郡漁協のスルメイカ漁は、低調な水揚量で推移している。着業者は「今年の水揚げは振るわない」と嘆く。それでも11月5日に稚内で発泡500箱が水揚げされたことを受け、「何とか戻りイカに期待したい」と今後の南下群の来遊増に望みを託す。
今季も低水準の来遊状況で終盤を迎えた北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面試験場の解析によると、中期までの来遊実績は海区・地区間で明暗が大きく分かれているものの、オホーツクや根室などで2016年級の5年魚が漁期前予測を大幅に上回っている。資源が低迷傾向となった成熟年齢の若齢化から、高齢化へ回復局面入りが期待されるという光明も差している。
オホーツク海沿岸のけた引は、南部8単協(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)のうち、11月上旬で佐呂間を除く7単協が計画に達した。10日現在で漁場造成を含め3万7412トンとなった常呂をはじめ紋別、湧別が3万トン台の水揚げ。
湧別漁協のタコ箱は、春先から低調な水揚げで終盤を迎えた。「例年より小型傾向で尾数も少なかった」と着業者。最近はオカ側中心に増えてきたが、1隻300キロ前後と例年並みの漁模様で推移している。一方、浜値は全道的な薄漁や輸入ダコ減少を受けキロ800円台と堅調。金額は昨年を上回っており、減産を浜値でカバーした。
新型コロナウイルス禍の影響で玉冷の国内消費が進み、在庫払底下で始まった今シーズン。海外需要は世界的な経済活動の再開と主要国の供給減を背景に、大型組成も追い風となって急伸した。3S中心に相場高の展開となり、売り場を回復していた量販店は縮小傾向。輸出は当分継続するものと予想され、相場高のまま来シーズンに突入する可能性が高まっている。
宮城県漁協はホタテ共販事業の戦略見直しを急いでいる。これまでは活貝出荷がメインだったが、まひ性貝毒の発生件数が年々増加する中、貝毒を蓄積しない貝柱の販売にも力を入れざるを得ない状況。玉冷を海外に売り込んでいく考えだ。
青森県漁連は、2021年度の最終水揚量を当初計画より千トン多い7万3千トン、前年度比4%減と試算している。来年1~3月の成貝出荷は約3千トンの予定。最終金額は税込みで135億円を見込んでいる。2年ぶりに100億円の大台を突破し、前年度比5割増と大幅に回復する見通しだ。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の来季稚貝生産量は、前年比13%増の11億1150万粒を計画している。分散後の成育状況は順調に進んでおり、今春のような減産はひとまず回避できる見通し。一方、2020年度の韓国向け活輸出は2倍に伸長した。21年度も堅調に推移している。