岩手県北部沖で操業するイカ釣船は今漁期から巻網船と海域調整し、トラブルがなくなった。調整は、海域を3つに分け当日午後4時までにいずれか1海域を巻網側に連絡し、巻網船がその海域での操業を翌朝まで自粛(「特別配慮」)。問題なく3カ月が過ぎ、調整が奏功した形で6年に及ぶトラブルが収まった。
同県のイカ釣漁業者と大中型巻網漁業者の操業調整は、双方の主漁期となる前の6月に水産庁が提示。同県沿岸漁船漁業組合(沿岸組合・志田惠洋組合長)と北部太平洋まき網漁業協同組合連合会(北まき・川本省自会長)が合意した。
内容は、イカ釣側が規制を求めていた北緯40度以北の「短冊海域」をA、B、Cに3分割し、当日午後4時までに沿岸組合がいずれか1海域をイカ釣操業優先海域として北まきおよび水産庁に連絡。北まきは、この連絡を傘下の巻網漁船に通知し、当日の晩から翌朝までの操業で当該海域での特別配慮を指導する。
岩手県南部のカキ出荷が1日、東京・築地市場などの販売開始に合わせ本番入りした。放卵が進んで身の回復が昨シーズンより早く、当初の品質としては良好。目立ったシケ被害やへい死もなく、増産を見込む浜が多い。
北海道産秋サケの普及・定着に向け、道漁連と北海道秋鮭普及協議会は、札幌など道内ホテルとタイアップし、朝食に秋サケを使った料理を提供する「今が旬 北海道産秋鮭フェア」を展開している。
道東沖のサンマ漁は9月中旬以降、道東4港(花咲、厚岸、釧路、浜中)で日産3000トン規模の漁獲が続き、不振だった昨年を上回るペースで推移している。一方、本州も9月下旬から三陸沖に漁場が形成され、一部の大型船が操業、水揚げを伸ばしている。
北海道の秋サケは盛漁期に突入した。水揚げは25日で4万トン台に乗り、平成22年以降の低水準の中では最多ペース。一方、浜値はメスが昨年同期に比べ下方修正に対し、オスは高値推移。輸入鮭鱒の高止まりや円安の急進などで親製品が好環境の半面、魚卵の低調相場が続く消流状況で、産地加工の佳境を迎えている。
紋別漁協のタコ箱漁が好調だ。昨年の約3倍に当たる96トンを水揚げ。漁場は9月下旬からオカ側に移るため大型サイズは減る見込みだが、着業者はさらなる増産に期待を寄せている。
箱漁は15隻が着業。5月下旬~6月上旬に箱入れし、主に沖側の漁場で操業。10月の底建網漁解禁を前にオカ側の漁場へ切り替わる。8月末累計数量は前年同期比2.8倍の90.4トン。9月20日現在で95.8トンを水揚げした。
いぶり噴火湾漁協は24日、養殖ホタテ2年貝の9月下期値決めを行った。伊達地区の「早出し」はキロ200円で妥結。昨年初回と同額でスタートした。
伊達地区のみで出荷量は6~7トン。歩留まりは生玉が15・7%、ボイル柱が14.1%。昨季より若干高い数値。アソートは生玉が5S・6S・4S、ボイルが5S・6S中心。
同地区の早出しは毎年、生育状態が良く浜高傾向にあるが、今季は春先以降のへい死が少なく、各地区とも増産が予想される中での高値スタートとなった。
「6次産業化は営業努力がなければ成り立たず、売り先がなければ高くも売れない」。生食用の殻付カキを主体に約300の飲食店に直送、3年目で1億円を売り上げる漁師の会社・(株)海遊(宮城県石巻市雄勝町)の伊藤浩光社長(53)はこう話す。三陸では大震災後、6次産業化を目指す動きが活発化した。先輩格としてリードする伊藤社長の考え方、ノウハウに迫った。
道産商材の代表格「開きホッケ」を主力に魚食文化・干物の製造販売を手掛けて半世紀。厳選素材、食塩のみの無添加、手作りの風味・食感を守り続け、地元・帯広をはじめ全国各地に販路を確立している。ことし一大消費地・札幌で催事販売に乗り出し、新たな愛顧者の獲得にも臨んでいる。
原魚のマボッケは礼文、羅臼を主体に使用。能本博道取締役営業本部長は「製品の良しあしは原料で決まる。産地、時期を吟味し、一級品を確保する」と説明。原料に応じた塩の漬け込み、乾燥時間など製造技術と併せ、長年積み重ねてきた確かな商品作りへの評価から、地元中心に「ほっけ屋」の名で通っている。
岩手県大槌町と㈱壮関(関雅樹社長、本社・栃木県矢板市)の工場立地などに関する協定書調印式が24日、同町役場で行われた。壮関の新工場は同町安渡地区に計画され、HACCP準拠で茎ワカメの加工製品を生産する。平成28年1月の稼働が予定される。