共同船舶株式会社の捕鯨船「第三勇新丸」が1日、東京都江東区のお台場ライナーふ頭に着岸した。3日、初めてとなる豊洲市場への大型クジラの生肉を上場するためのもので、陸揚げには所英樹社長や社員らも立ち会った。4日の「くじらの日」を盛り上げようと鯨肉の消費を定着させるプロモーションのピークを迎えた。
水産研究・教育機構水産資源研究所が昨夏にベーリング海で実施した資源生態調査でサケのCPUE(1時間引網当たりの平均漁獲尾数)は、過去12回の調査の平均値より若干少ない値だった。また、採集したサケの年齢組成を調べた結果、ほぼ平年並みの水準だった。
オホーツク管内の建マス(カラフトマス)は、記録的不漁で推移している。今年は隔年周期の不漁年に当たるが、平成以降最低だった一昨年(最終実績1216トン)を大幅に下回る状況。河川そ上も芳しくなく、親魚確保のため、1次(8月12~16日)に加え、2014年以来となる2次の自主規制措置を実施。マス小定置の終期を3日間前倒しし、8月28日に網揚げした。9月1日からサケ・マス定置が操業している。
長万部漁協のウニ潜水漁は、キタムラサキウニが殻付きでキロ1300円台と堅調だ。前年同期と比べ7~8割高で推移している。日量は500キロ以上と例年通りだが、シケによる沖留めが昨年より多く、減産を浜値でカバー。濱野信夫漁船漁業部会長によると、身入りは「コンブなど餌環境が改善し、とても良好」と話す。
道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを1万2900トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示したものから120トン下方修正。3年連続で1万2千トン台となる低水準の生産が続く見通しだ。
オホーツク海沿岸のホタテけた引は、8月末で22万3200トン余りを水揚げし、計画達成率は76%となった。宗谷、猿払村が3万トン台、枝幸、紋別、湧別、常呂が2万トン台。7単協が前年同期を上回っている。歩留まりは14%台から下は11%台まで幅広く、アソートは大半が3S中心。浜値はキロ200円台後半~100円台前半と、組成次第で差が開いている。
北海道の秋サケ定置網漁が今週から開幕する。平成以降最低の来遊予測が示され、漁獲量は4万トン台前半の凶漁見通し。引き続き、水揚げの回復を見据え、売り場堅持、円滑な消流への価格形成が焦点となる。今季の商戦展望、流通対策の重点などを、道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会加工部門(日沼賢澄部門長)が製造するアカモクは今春採取分を皮切りに、加工過程を改良するなど品質アップに力を注いだ。日沼部門長は「色や粘り気がこれまでより良くなった」と手応えを話す。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(生駒利治組合長)は今年度、町の支援を受け、山田湾でトラウトサーモンの海面養殖に乗り出す。2023年度からの事業化を視野に、2カ年の実証試験で採算性や漁場環境への影響などを確認する。秋サケの記録的な不漁が続く中、主力のホタテ、カキと並ぶ収入の柱に育てたい考えだ。
神奈川県水産技術センターは、種苗生産を試みているクマエビについて、卵から稚エビまで育成することに成功した。これまでの成果では全長1センチほどの稚エビだったが、今回は放流可能な大きさである全長3~4センチまで成長したもので、この実績は東日本では初という。地球温暖化による海水温上昇の水産業への影響を抑えるために取り組んできた試みだが、新たな栽培漁業対象種としての可能性をまた一歩前進させた。