道総研函館水産試験場が試験養殖に取り組んでいる成熟誘導(人工的に子のう斑を形成させる技術)を利用した早期生産種苗のマコンブは、連携する戸井漁協小安地区で昨季順調に生育し良好な結果が得られた。幅広で実入りも上々だったほか、乾燥歩留まりも良く、漁業者は「折昆布に成形し大半が1等だった」と手応えをつかむ。今季は事業規模を拡大し同地区全約30人が養殖。間引きなど育成管理に努め、さらなる品質向上を図る。
日本の水産・食品流通に変化と転換をもたらしたコロナ禍。大消費地の首都圏ではそのインパクトは大きく、流通・末端事業者は対策に迫られた。ただ、生産者が手掛けた水産品を消費者へ安心して届けたいという熱意は揺らがない。創業当初から変わらぬ強みを生かして業績を伸ばしたり、発想の転換で新規需要をつかんだりと現状の打破に挑んでいる。
北海道の漁業は昨年、イカや秋サケといった主要魚種の低迷が続いた一方、羅臼では定置網にサバが大量乗網するなど異変も起きた。北大名誉教授で函館国際水産・海洋都市推進機構函館頭足類科学研究所所長の桜井泰憲氏に海洋環境や気候変動に伴う資源状況や将来的な見通しについて聞いた。
めかぶ加工・販売の有限会社丸繁商店(宮城県気仙沼市、小野寺繁雄社長、電話0226・23・4941)は新商品「10秒deおいしいめかぶ」を発売した。スライスした宮城産を厚さ5ミリの板状に凍結。冷凍庫の隙間に収まり、解凍が簡単で包装のプラスチック使用量も減らせるのが特長。コロナ禍で免疫細胞の集まる腸内環境に関心が高まる中、食物繊維が豊富で「腸活」に最適なめかぶを、より手軽に毎日の食卓に取り入れてもらう。
道東沿岸を中心に秋サケやウニが大量へい死するなど甚大な漁業被害をもたらした赤潮。漁場の被害・資源状況を把握する上で活躍が期待されるのが小型無人潜水機「水中ドローン」。札幌市の株式会社アイ・ティ・エス(下川俊克社長、電話011・743・1707)は最新機も含めさまざまな機種を販売、各用途に適した機種を提案する。要望に応じて初心者向け講習会も実施している。
近年続いている主要魚種の水揚げ低迷、コロナ禍による需要の減少や魚価安に加え、道東を中心に赤潮被害に見舞われた昨年の北海道の水産業界。その被害回復をはじめ気候変動への対応、資源増大や消費拡大対策などが引き続き求められている。年頭に当たり、道水産林務部の佐藤卓也部長と、道漁連の川崎一好会長に展望を聞いた。
秋サケ製品の消流は、ヒネ在庫の払底や水揚げ不振などから、親、卵とも、供給量は引き続き低水準。ただ、高値形成に加え、競合する海外鮭鱒の搬入増加が見込まれ、道漁連は新漁までの在庫の適正化と売り場の確保を重点に各種対策を講じていく。
3年連続2千万尾割れの低来遊となり、地域間格差も深刻化した昨年(2021年)の北海道の秋サケ。ただ、道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、18年級の3年魚が予測を大幅に上回ったほか、5年魚で回帰した16年級がオホーツクや根室・北部などで高齢化に転じ、資源回復へのサインが現れ、来季に向けて全道規模では光明も差した。
非対面で24時間いつでも手軽に購入できる自動販売機。魚の消費や調理離れが叫ばれる若年層への訴求も兼ねて、その自動販売機で水産品の拡販に乗り出したのが、札幌市の水産加工卸・有限会社千葉水産(千葉信幸社長、電話011・784・2453)。商品は骨を取り除いた切り身「骨のない魚」。購入後すぐに料理に使え、手軽さは“2倍”。昨年8月の販売開始以来、予想以上の売れ行きを見せ、魚食拡大の新たな販売方法として手応えを得ている。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋准教授は、昆布加工大手のフジッコ株式会社(神戸市)と連携、共同施設で育種の研究を進めている。道内を中心に100産地以上の培養株を保存、交配・交雑を行い、高水温や貧栄養といった環境耐性に優れる株を選抜していくなど長期的な視点で技術開発に注力している。