沖縄科学技術大学院大学の物理生物学ユニットのチームは、商業化の可能性を持つツツイカの養殖システムを開発した。世界初という。現在特許申請中で、今後は同大学の技術開発イノベーションセンターと連携し、事業化を目指す。
羅臼漁協の一部の刺網船は船上活じめ出荷に継続して取り組んでいる。ホッケやサメガレイなど多魚種で展開。第三十三千代丸で操業する石田一美理事は「長く続けてきたことでだいぶ浸透・定着してきた」と実感。野じめを大きく上回る価格に付くなど高い評価を得ている。
「前浜で進行している磯焼けに歯止めを掛けたい」……その強い思いから、森漁協元監事の山下良慈さん(66)は、天然マコンブが付着していた廃材パイプを改良し着生・生育実験を試みた結果、大きな成果を得た。「胞子が付着し生育することが確認でき、良好な場所では引き揚げられないほど伸びていた」と山下さん。この取り組みに協力していた株式会社森機械製作所(森光典社長)は、共同発案者として特許を申請。磯焼け対策に手応えを得ており、今秋から道内各地で試験導入する計画だ。
噴火湾の稚貝採取は、渡島・胆振管内とも各地で順調に進んでいる。採苗器の付着量が多いため「若干小ぶり」と話す着業者もいるが、必要量は十分確保できる見通し。現時点では昨年のような高水温とはならず、例年同様の作業スケジュールで進んでいる。
羅臼漁協の天然コンブ漁が7月20日に始まった。総体的に不漁だった昨年を上回る繁茂状況で、増産に期待がかかる。一方、ウニの食害が目立つ漁場も点在し、着業者は良質なコンブを選びながら採取している。
羅臼漁協のニシンは7月27日現在、数量が前年同期比18%減の319トンと下回っているものの、雌雄選別出荷したことなどによりキロ平均単価が3.3倍の137円に上昇、金額を2.7倍の4380万円に伸ばしている。
天然コンブが始まるまで刺網に着業していた漁業者は、春の操業でニシンを雌雄選別して出荷。「オスメス込みだとキロ60~50円程度だが、選別してメスは400円に付いた。平均的にメスの漁獲割合が高いので、手間は掛かるが選別した方がいい」と話す。同漁協は「オスの価格も高かった」と示す。
室蘭漁協はイベント出店や加工品の販売を通じ、収益基盤の多角化を目指している。営業企画部が中心となり、地域のイベントで販促活動を展開。オリジナルのグルメ商品を開発し来場客の好評を博すなど、順調な滑り出しを見せた。今後は道の助成金を活用し急速冷凍設備を導入、干物などを売り出す。
紋別漁協でミズダコの浜値が堅調だ。序盤からキロ900円台の高値基調となり、7月26日は998円と強含み。水揚量は多い時で日量6~7トンになったが現在は2~3トンペース。昨年よりも低調に推移している。
全国共済水産業協同組合連合会(共水連)は7月21日、通常総代会と理事会を東京都内で開催し、新会長に東串良漁協(鹿児島県)の楠田勇二組合長を選任した。副会長は京都府漁協の西川順之輔組合長、宗谷漁協の奈良満組合長、静岡県漁連の薮田国之会長が就任する新体制となった。福原正純前会長(別海漁協組合長)は顧問に就任した。楠田新会長は「漁業全体が厳しい環境に置かれている中で共済事業の果たす役割は極めて重要となっている。事業を前進させていくためには全国の漁業者や漁連役職員の力の結集が必要不可欠」と呼び掛けた。その上で「かじ取り役を任されたことを重く受け止め、共済事業の発展を目指し、全力で取り組んでいく」と強調。自身の所属する鹿児島・九州が台風の通過地域のため、その被害からの支援の重要性を紹介するとともに、普通厚生共済「チョコー」や生活総合共済「くらし」事業に特に注力していく方針を示した。
株式会社極洋は、2022年秋の新商品として、市販用商品12品、業務用商品11品の合計23品を9月1日(一部10月以降順次)発売する。健康志向の高まりや食生活への意識の変化に対応し、「ずっと続ける豊かな食卓 未来へつなげる魚のおいしさ」をテーマに開発した。減塩を意識した商品を充実させている。市販用で8億円、業務用で6億円を販売目標に掲げている。