胆振太平洋海域の毛ガニかご漁が12日に始まった。いぶり中央漁協登別・虎杖浜地区は初日に3.5トンを水揚げ。許容漁獲量(ノルマ)の増枠などを受け、昨年初日に比べ61%増産。良型が多く、中が約7割を占めるなど順調に滑り出した。
上磯郡漁協上磯地区の定置にマイワシがまとまって乗網している。地区全体で多いときは10トン余り。着業者は「うちの網では6月10日ごろから獲れ、1カ月以上続いている」と話す。ただサイズは小さく、浜値は安く推移している。
「痩せウニ」の身入り向上実証試験に挑んでいる落部漁協は、初年度の試験結果を踏まえ、2年目となる今年の試験方法を見直した。陸上では行わず海面のかご養殖に統一し、キタムラサキウニより歩留まりが向上したエゾバフンウニに絞って取り組む。今秋から3~4カ月間養殖し身入りなどを調査。年度内にも事業化の可否を判断する。
北海道に適した魚類養殖の事業化による生産増大に向け、道水産林務部は今年度から道南地域でサクラマス養殖の実証試験を行う。併せて先行実施地域の課題や成果を把握・整理し、魚類養殖事業の着手時に参考となるロードマップを作成する。13日に有識者の意見・提言を聴取する魚類等養殖事業化推進会議の初会合を開き、取りまとめ作業を本格化した。
日本水産株式会社は、昨年展開を始めた「速筋タンパク」商品を拡充する。スケソウダラに由来した質の良いタンパク質を配合したもので、利用効率の良さは卵以上という。外出自粛による運動不足で体に衰えを感じている人が多いこと、また筋肉の衰えからタンパク質の摂取意向が高まっていることを背景に、その需要に対応できる商品として提案していく。
根室市のカネ共三友冷蔵株式会社(石田一志社長、電話0153・23・5261)は、急速凍結の新技術「3D冷凍」を基盤に、前浜産マイワシの加工品に力を入れている。小型魚に対応したフィレーラインを昨年新設。水揚げ・組成に応じ、生食可能なラウンド凍結品やワンフローズンフィレーの製造、拡販に臨んでいく。
岩手県産養殖コンブの素干し製品の今季初入札会が9日、宮古市の県漁連北部支所であった。重茂、田老町両漁協が51トンを上場。主力の黒長切は大半が10キロ1万3千円台で落札され、近年の高騰傾向が落ち着いた。
宮城県で今季のしらす漁が始まった。国内で最北となる閖上以南の県沖での本格的な漁は5シーズン目。水揚げ主要地の閖上漁港近くに漁場や加工場があるため、鮮度が保たれるのが特長で、地元水産業界は「北限のしらす」として特産化に取り組む。県内の食品スーパーや量販店の関心は年々高まっており、年間を通して安定的に供給できる体制づくりが求められている。
砂原漁協のホタテ養殖・スケソ刺網船「第十五海運丸」(9.7トン、FRP)がこのほど竣工し、7日に母港・砂原漁港でその雄姿を披露した。スケソ刺網も兼業するため甲板スペースや機能性を重視した造りに、船主の平田智士さんは「操船しやすく安定性も増した」と満足げ。ホタテの成育は回復基調にあり「来季の水揚げに弾みを付けたい」と好漁に期待を寄せる。
ウトロ漁協の定置網漁に従事する若手漁業者らが「知床直送」のネットショップが商品展開する水産品の加工作業を担っている。前浜産の知名度や魚価の向上、漁家収入の安定などの一助を目指し、漁業の余暇時間を当てて、サケとばや干物を製造。昨年9月のショップ開設から特にサケとばが話題となり、注文が殺到するなどやりがいも体感。通販業者と連携した消費者直販流通で、魚価安や主力・秋サケの水揚げ低迷に見舞われる浜の新たな活力創出に挑んでいる。