西網走漁協のワカサギ漁は、漁期前の豊漁予測に反し苦戦している。開始から10日目に1カ統を増やしたが、日量1トン前後と前年同期の半減に。同漁協は「1~2日留めても変化がない」と困惑する。浜値は2月に入り50円高となったが、キロ400円の安値基調に着業者は頭を抱えている。
岩内郡漁協所属で底建網と秋サケ定置を手掛けるカネヤマ石橋は昨年春、山口県萩大島を拠点に活動する萩大島船団丸と提携した。高鮮度の鮮魚を都心部の飲食店に販売するスタイルを確立したトップランナーと手を携え、飲食店に活じめヒラメの出荷を開始。「北海岩内船団丸」として6次産業化の実現に向けた一歩を踏み出している。道内での提携は初。
根室沿岸のニシン刺網は、日間差のある漁模様だが、多いときはトン単位で水揚げ。型は上々で大サイズが主体だ。根室湾中部漁協所属「第三十一勝福丸」の髙松正利さんは「1月だけみると昨年より良い。今は切れ間に入ったが、潮が変われば魚が動く。この後も期待したい」と話す。
ひやま漁協乙部支所の若手漁業者らが採取するアカモクの販路が拡大している。近く鹿部町の道の駅「しかべ間歇泉(かんけつせん)公園」が取り扱いを開始。商品や売り場改善に注力するなど話題を呼んでいる商業施設との連携で、乙部産アカモクの販促や認知度向上に大きな期待がかかる。
道南・本場折浜で促成の間引き作業が進んでいる。2月から開始する着業者もいて今後徐々に本格化していく。1月下旬現在シケなどによる大きな被害もなく順調に生育。ただ例年に比べ種出し時期がずれ込んだことで、コンブの伸長に遅れが出ている施設もある。
オホーツク沿岸の2021年水揚げ計画は、前年実績比10%減の29万4700トン、前年計画と比べ5%下回る想定となった。3万トン以上は前年同様6単協だが4万トン台は猿払村のみ。大半が減産する見通しだ。自然発生貝が多発し過密状態となったへい死の影響や、生産性の低い海区に当たることなどが要因。12単協中10単協が減産計画となった。
サロマ湖産カキは、1月から湧別漁協中心の水揚げ。歩留まりは今季序盤から良好で、年明けの1年むき身は日量1トン前後と順調だ。2年殻付きも潤沢で、1月の水揚量は昨年を上回っている。一方1年むき身の浜値はキロ2千円前後~千円台前半。値幅は大きいがコロナ禍の影響は小さいものとみられ、着業者は一様に安どしている。
第62回青森県青年・女性漁業者交流大会(県主催)が1月27日、青森市の県民福祉プラザで開かれた。県内3団体の代表者が漁業振興に向けた成果を発表。優秀賞にはナマコの資源増殖に取り組む、むつ市の川内町漁協青年部が輝き、来年2月に東京都内で開催される全国大会への出場を決めた。
岩手県沿岸をはじめとする本州の近年の秋サケ資源減少は、親潮南限の北偏傾向と関連がある可能性が高まった。黒潮から暖かい水の渦が発生し続け、寒流の親潮の南下を妨げると、高水温に加え稚魚の餌となる動物プランクトンの減少ももたらし、降海後にエネルギー不足に陥る状況となる。水産研究・教育機構水産技術研究所宮古庁舎の佐々木系氏が1月23日、盛岡市内で開かれた「三陸海域の水産業と海洋研究集会」で報告した。
石狩・後志管内のニシン刺網が1月中旬から始まったが、来遊遅れのため低調な出足となった。ただ好漁だった昨年も序盤は苦戦した一方、2月に盛漁期入り。道総研中央・稚内の両水産試験場の漁況予報では昨年と同程度の来遊を予測しており、今後の漁況に注目が集まっている。