砂原漁協のホタテ養殖・スケソ刺網船「第十五海運丸」(9.7トン、FRP)がこのほど竣工し、7日に母港・砂原漁港でその雄姿を披露した。スケソ刺網も兼業するため甲板スペースや機能性を重視した造りに、船主の平田智士さんは「操船しやすく安定性も増した」と満足げ。ホタテの成育は回復基調にあり「来季の水揚げに弾みを付けたい」と好漁に期待を寄せる。
宮城県で今季のしらす漁が始まった。国内で最北となる閖上以南の県沖での本格的な漁は5シーズン目。水揚げ主要地の閖上漁港近くに漁場や加工場があるため、鮮度が保たれるのが特長で、地元水産業界は「北限のしらす」として特産化に取り組む。県内の食品スーパーや量販店の関心は年々高まっており、年間を通して安定的に供給できる体制づくりが求められている。
ウトロ漁協の定置網漁に従事する若手漁業者らが「知床直送」のネットショップが商品展開する水産品の加工作業を担っている。前浜産の知名度や魚価の向上、漁家収入の安定などの一助を目指し、漁業の余暇時間を当てて、サケとばや干物を製造。昨年9月のショップ開設から特にサケとばが話題となり、注文が殺到するなどやりがいも体感。通販業者と連携した消費者直販流通で、魚価安や主力・秋サケの水揚げ低迷に見舞われる浜の新たな活力創出に挑んでいる。
北海道産秋サケの消流状況は、親製品が水揚げ不振による供給過少と内食向け需要の増加で在庫水準は低位だが、安定供給のチリギンとの売り場競合が激化。いくら製品は国産に加え、輸入卵も不漁で供給減から高値に張り付いているものの、今年豊漁予想のロシア・アラスカのマス子が焦点。今期もコロナ禍に伴う消費動向の変化、水揚げ回復時に向けた売り場の堅持が引き続き課題となる。
南かやべ漁協の定置は、春にホッケやニシン、マスなどが乗網した。木直地区で操業する尾上美彦理事(有限会社ヤマダイ尾上漁業部)は「4月1日の開始から多魚種で漁に恵まれたのは初めて」と振り返る。ただ、おおむね浜値は安く、漁最盛期はホッケがキロ20円台、ニシンは10円台まで下がったという。
渡島噴火湾の毛ガニ漁は、5単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原漁協)とも許容漁獲量(ノルマ)に達し、9日までに終漁した。漁場ごと日量に格差も生じたが1隻200キロ前後の水揚げ。組成は中主体。大、小の比率は漁場間で異なった。浜値は序盤から高値基調で推移し、大はキロ7千円台、中で4千円台中盤~後半の好値を付けた。
岩内郡漁協のスルメイカ釣漁は昨季と同様に水揚げが振るわない。6月20日以降に見えだしたが、着業者らは「漁模様が芳しくない」と現状を嘆く。6月下旬から7月上旬はバラ主体で組成が小ぶり。
野付漁協(楠浩組合長)所属のホタテけた引船「第五十八協栄丸」(ヤマハDX-97B-OB、9.7トン、FRP)が竣工した。4日艤装を終え午前10時に根室港を離れ、12時前に尾岱沼漁港にその雄姿を現した。
道昆布事業協同組合(中山俊理事長)は2日、札幌の第2水産ビルで第24回通常総会を開いた。新型コロナウイルス感染予防のため書面主体で決議。第25事業年度事業計画(2021年6月~22年5月)などを承認した。
サーチライトなど船舶用電気機器製造販売の三信船舶電具株式会社(東京都千代田区、山田信一郎社長)は、埼玉県春日部市に工場と配送センターを新設した。これまでの足立工場(東京都足立区)から移転・拡張したもので、6月から本格稼働している。足立工場ではできなかった各種試験設備を充実させることで、より品質を重視した製品の製造が可能になった。浜のニーズに応えた新規格の製品製造にも期待が高まる。