昨年12月下旬に閣議決定された国の水産関連予算は、2022年度当初予算が1928億円、北海道の赤潮対策に15億円などを盛り込んだ21年度補正予算1272億円を合わせ総額3201億円となった。前年度と比べ136億円の増額、補正・当初を合わせた総額は4年連続で3千億円台を確保した。漁業経営安定対策や不漁要因を解明するための資源調査を充実させるなど、環境変化に対応した持続的な水産業を推進していく。
東京・豊洲市場の道産ウニの消流は、中心となる根室管内からの供給が少なく、年末商戦が品薄のまま終えた。卸値は中国など海外輸出がリードし、依然高止まり。国内需要が追い付けず、仲卸は「赤潮被害で根室から例年の10分の1ほどしか集まらなかった。順調に集荷できていれば、ここまでは高くならなかった」とため息を漏らす。
中国で高級食材として需要が高いナマコの種苗生産に、宮城県漁協石巻市東部支所の若手漁業者が成功した。コストをかけず、漁業者でも実践できる簡易な飼育管理方法を模索。高水温対策や餌となる植物プランクトンの培養などに励み、陸上水槽で育てた稚ナマコ約1600個を放流した。今後、安定した生産体制の確立を急ぐ。資源の維持・増大を図り、冬場の収入源確保を目指す。

北海道内のアサリ主産地として知られる厚岸漁協。道水産林務部がまとめる北海道水産現勢によると、2019年の全道漁獲量は1488㌧で、厚岸町産は約7割の1004㌧を占める。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」では約170軒が着業。漁業者が取り組む漁場の管理・保全などが堅調な生産状況を下支えしている。中でも本来は田畑で使う耕運機を導入する漁家が約10軒存在、漁場管理に工夫を凝らし、成育環境の向上につながっている。
北海道内のアサリ主産地として知られる厚岸漁協。道水産林務部がまとめる北海道水産現勢によると、2019年の全道漁獲量は1488トンで、厚岸町産は約7割の1004トンを占める。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」では約170軒が着業。漁業者が取り組む漁場の管理・保全などが堅調な生産状況を下支えしている。中でも本来は田畑で使う耕運機を導入する漁家が約10軒存在、漁場管理に工夫を凝らし、成育環境の向上につながっている。
SNSを駆使し販路開拓に取り組む漁業者が増えた中、湧別漁協でカキ養殖に着業する登栄床地区の播摩大輔さん(40)も、協力者といち早く連携しネット販売に力を入れている。タッグを組むのは地元・湧別町で酒屋を経営しながらネット通販会社株式会社モグぱっく(電話01586・2・4910)を立ち上げた橋本祐樹社長(40)。「漁業者が手間を掛け良質に育て上げたカキを全国に広めたい」との思いが具現化し、9年前からネット販売に注力。両者は昨年12月に「さろまる」の名でブランド化も図り、販促を強化している。
「目指すのはベンチャー」。そんな創業間もない成長途上の企業のようなビジョンを掲げるのが鵡川漁協だ。2020年度の販売取扱高が約4億円と北海道内では小規模な漁協だが、昨年9月に開設した鮮魚直営店の売り上げが好調に推移。ホタテの資源造成にも打って出るなど、組合事業の付加価値化と漁業者の所得向上を実現しようと、知恵と行動力を結集している。
北海道産カキの今季生産量は、むき身、殻付きともにほぼ例年並み。むき身は量販店中心に順調な荷動きで、殻付きも新型コロナウイルス禍の収束を機に飲食店需要が増えつつある。浜値はともに昨年並みかやや高値に振れる場面もあるが「下がることなく、まずまずの価格帯」(湧別漁協市場)で推移している。
熊本大学、水産卸業者の株式会社ジャパンシーフーズ、理化学機器メーカー柴田科学株式会社はアニサキスを高電圧で殺す機器の実用化に向けて研究を進めている。アニサキスによる食中毒が増える中、身質への影響が少ない殺虫方法で、水産業界から注目されている。昨年11月に東京都で開かれた「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」では殺虫後刺身にしたアジの試食を実施。来場者から「生鮮と同じ味」と高評価を得た。
北海道の漁業は昨年、イカや秋サケといった主要魚種の低迷が続いた一方、羅臼では定置網にサバが大量乗網するなど異変も起きた。北大名誉教授で函館国際水産・海洋都市推進機構函館頭足類科学研究所所長の桜井泰憲氏に海洋環境や気候変動に伴う資源状況や将来的な見通しについて聞いた。
水産加工の株式会社ケーエスフーズ(宮城県南三陸町、西條盛美社長、電話0226・46・8111)はウニ、ナマコの陸上養殖(蓄養)事業に着手した。地元漁業者が磯焼け対策で間引きした痩せウニを買い取り、歩留まりをアップさせて出荷するとともに放流用稚ナマコの育成なども手掛ける計画。先進的なIoT(モノのインターネット)技術を取り入れ、作業効率化や安定生産を実現しながら地域の漁業振興に貢献していく。