「賠償なんていらない。とにかく流さないでほしい」―。宮城県漁協の組合員を対象に開かれた、東京電力福島第一原発の処理水を海へ放出する政府方針を巡る説明会。原発事故後、信頼回復のため懸命に努力を重ねてきた漁業者は方針の撤回を強く訴えた。放出となれば「沿岸漁業への影響は計り知れない」などと憤りの声も上がった。国や東電の担当者が安全性や風評対策を説明したが、放出を容認する意見は全く出なかった。
道漁連は、「夢と活力ある北海道漁業の再興」を基本方針に掲げた中期的事業推進方向の最終年度に当たり、コロナ禍による新たな生活様式への対応、エシカル消費などを踏まえた環境負荷低減につながる施策を念頭に国内消費の回復と安定に向けた販路拡大などの課題解決に組織を挙げて臨んでいく。
2021年度の宮城県産乾のりは記録的な減産となった。県漁協によると、共販実績は数量が前年度比30%減の2億6240万枚。シーズンを通して天候不順が続いたことが大きく響いた。金額は同24%減の26億3303万円で、1枚当たりの平均単価は同8%高の10円03銭と、2季ぶりに10円台を回復した。
東京・豊洲市場で散発的だったトキサケの入荷量が7日ごろから増えてきた。高騰していた卸値も落ち着き、これまで取引を控えていた飲食店からの注文が活発化。一方で荷受は「現在の相場は当分維持される。切り身原料として北海道の加工筋の手当てが強く、相場が弱い豊洲は集荷に苦戦している」と明かす。
斜里第一漁協の有限会社北洋共同漁業部(伊藤正吉代表)は、定置網漁で水揚げしたサケ・マス、カレイ類など漁獲物の価値向上に挑戦を重ねている。「1円でも高く」の意識を共有し、12人が一丸で実践。従来の活じめに加え、今年から春定置のサクラマスを皮切りに胃洗浄の鮮度保持技術を導入した。併せて加工場を構え、液体急速凍結などを基盤に個人客を中心に斜里産の拡販に乗り出す。
えさん漁協日浦地区青年部(成田昂平部長、3人)が取り組むバフンウニの蓄養試験で成果が表れている。昨年11月に陸上水槽に収容したウニはコンブの給餌により歩留まりが改善され、4月上旬には25%まで向上、良好な結果が得られた。一方で課題は苦味の改善。また、昨年は自作の円筒かごを地元漁港内に試験的に垂下、十分な実入りを確保できたほか、水槽掃除などの作業負担を軽減できる利点もあり、今後の本格導入を検討していく。
砂原漁協の底建網は、ホッケが苦戦している。4~5月の水揚量は前年同期比8割減。着業者は「潮が速く、ナギも使えていない」と残念がる。一方でミズダコは1尾21キロ以上の大大主体に上々の水揚げ。浜値もキロ900円前後と高値に振れている。
毛ガニの漁獲資源の増大・安定に向け、オホーツク管内栽培漁業推進協議会ケガニ部会(部会長・片山隆市雄武漁協組合長)は今年度から種苗生産技術の確立に向けた研究に乗り出した。短期・中期・長期の目標を設定。研究第一人者の市川卓准教授ら東京農大生物産業学部海洋水産学科と共同研究。初年度はふ化幼生を安定的に確保するための抱卵メスの管理方法の確立を目指し、抱卵メスの入手とその効率的な利用方法などを検討していく。
岩内郡漁協の太田誠組合長ら有志で取り組むカキの試験養殖が5月30日を皮切りに初水揚げを迎えている。成育状況は良好で太田組合長は「身入りや大きさも十分」と手応えをつかむ。荷揚げ後は岩内沖の海洋深層水で5日間蓄養しており、「味がマイルドになる」と実感する。出荷個数は1万個以上を予定。水揚げは週2回の頻度で6月末まで続く見通し。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。