平日はオフィス街、週末はイベント会場といった人が集まる場所に出向いて消費者と近い距離でサービスを提供できるキッチンカーが、水産業界でも魚食拡大の新たな販売手法としてビジネスチャンスを広げている。Googleトレンドによるとコロナ禍だった2020年以降「キッチンカー」のウェブ検索数が伸長するなど消費者側の注目度も上昇。事業者は新規顧客層の開拓、商品開発のヒントなど、キッチンカー販売ならではの効果を上げている。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は2023年の日本周辺漁海況の特徴を取りまとめ、このほど公表した。黒潮大蛇行が継続する中、北部太平洋や日本海の沖合を中心に高めの水温が続いたと総括した。黒潮大蛇行を巡っては、少なくとも今後半年程度は維持されるのではないかと推察している。
砂原漁協のスケソ刺網は、低調だった序盤の漁模様から一転して好漁となり、12月末水揚量は前年同期に近づいた。浜値はキロ100円台と高値基調で推移したため、金額は26%増の2億円に伸長。終盤に入った現在はキロ80円程度に落ち着いている。12月末水揚量は前年同期比8%減1997トン、金額は26%増2億90万円(税抜き)、キロ平均単価は38%高101円。道南太平洋の水深400メートルラインで始まった序盤は薄漁が続き、浜値はキロ130円前後まで上昇。11月以降は水温が低下し、漁模様は同月後半から徐々に向上、12月に入って序盤の不調を挽回している。
一般社団法人北海道水産会(阿部国雄会長)主催の「新年の集い」が9日、札幌市のホテルガーデンパレス札幌で4年ぶりに開かれた。道水産林務部幹部、系統・関係団体の役員らが出席。昨年の全国豊かな海づくり大会北海道大会の盛会、中国の輸入規制措置に伴うホタテなど道産水産物に対する国内の応援消費などを弾みに、新年も北海道水産業の発展に一致団結していくことを誓い合った。
留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、北海道産水産素材で新感覚の菓子を相次いで打ち出している。秋サケの塩とばを使ったせんべいと、マダラの身肉のみで仕立てたクッキーの2品。乾珍味など主力製品の加工副産物も有効活用。今年から土産品需要を中心に拡販を本格化していく。
南かやべ漁協の木直・尾札部両地区が主力の2年養殖は近年、生育不良が続いている。今季も総体的に状況は芳しくなく、現在種コンブの養成綱への挟み込み(株分け)を進める木直地区の着業者は「昨年よりも状況は悪く今夏も減産になるだろう」と見込む。
昨年11月に行った青森県陸奥湾の2023年度秋季実態調査によると、今年の半成貝や新貝に向ける稚貝(23年産)のへい死率は、分散前の未分散稚貝が全湾平均52.5%と深刻な状況にあることが示された。最もへい死した10年度の66.6%に次ぐ高さ。保有枚数は8億7404万枚で、過去10年平均15億4千万枚と比較し43%減少した。親貝の保有枚数も7115万枚と少なく、目安となる1億4千万枚の49%減と半減している。
上磯郡漁協の茂辺地・上磯両地区でマダラが豊漁に恵まれている。底建網などで年明け以降トン単位の日量が続き、着業者は「今までにないほどの漁」と口をそろえる。底建網で水揚げする茂辺地地区の吉田明則理事は昨年12月20日に網入れ。「年末は少し見えていた程度であまり期待していなかった」が年明け後好転。初漁の4日は、年末年始の休漁を挟み久しぶりに起こしたこともあり7.7トンの水揚げ。5日は1トン半揚げてシケで帰港。8日5.5トン、9日7トンと続いた。
石川県能登半島で最大震度7を観測した地震で、農林水産省は11日、石川県内に69ある漁港のうち7割を超える50漁港で防波堤や岸壁の被害を確認したと発表した。荷捌き所や製氷施設など共同利用施設も20カ所以上が損傷した。津波で転覆や沈没、座礁した漁船は少なくとも145隻に上る。能登の漁業関係者の多くが避難しているため、被害の全容はつかめていない。今後、被害が拡大する可能性がある。
「サーモン養殖シンポジウムinおおつち」が昨年12月15日、岩手県の大槌町文化交流センター(おしゃっち)で開かれた。基調講演や、県内でサーモンの海面養殖を手掛ける全6市町の担当者による事業報告などを通し、成果や増産に向けた課題を共有。養殖事業の持続的発展につなげた。