頓別漁協は本年度から、札幌市の光塩学園調理製菓専門学校で年2回の出張講座を行う。主力のホタテとサケの漁獲方法や生態を講義するほか、講座前後には調理実習用の食材として無償提供。およそ10年間継続し、産地食材の情報発信とブランドの構築を目指す。
枝幸漁協のけた引漁は順調に操業を重ね、今季計画量の7割に到達した。8月の盆明け以降は、徐々に獲りにくくなっており、9月からは作業時間や八尺を引く距離を伸ばすなどして上積みを図る考えだ。
オホーツク海けた引漁は、各漁協で7月下期~8月上期の値決めが行われ、大半が100円台半ばの高い水準を維持。原貝の歩留まりはピーク期を迎えているが12%を超えたのは猿払村、頓別、枝幸、雄武の4単協。アソートは3S~5Sが中心サイズとなっている。
八雲町漁協は、労働力が不足している養殖漁家の小規模経営体をグループ化し、共同作業で労働力を補う実証事業に入った。12経営体を3グループに再編して稚貝採取やザラボヤ駆除などを共同化。ことしから5年計画で2年貝から3年貝主体の生産体制にシフトし、作業の効率化、漁業収入の増大・安定化を目指す。
長万部漁協の養殖漁家は、7月中旬から稚貝採取を始め、大半の漁家が終盤戦に入った。必要数量は十分確保しており、着業者は「成長も順調」と強調。半面、ヤスデが激増しており「排除する手間が余計にかかる」と頭を抱えている。
フリー在庫が少ない中での新物スタートとなった玉冷は、春先から輸出主導の展開が続き、内販向けの在庫は極端に少ない状況だ。輸出相場は、商社が「あってないようなもの」と表現するように、一部の製品価格は2000円を超える状況。落ち込んでいる国内消費の回復は依然、厳しい見通しだ。
湧別漁協のけた引漁は、ハシリから1隻日産20トンペースで順調な操業を重ねている。12日現在で6000トンを水揚げした。
操業海区はD海区。12隻で日産240トンの水揚げペース。ことしの生産計画は昨年実績比で14%減の3万2000トン。
青森県はこのほど、本年度春季陸奥湾養殖ホタテガイ実態調査結果を公表した。平成25年産のへい死は平年より抑制できたが、成育状況は昭和60年の調査開始以来、最も低い数値が示された。県では昨夏の高水温と収容密度の高い状態が成長不足につながったものと指摘している。
6月から本操業入りしたオホーツク海では、各漁協で値決め交渉が始まった。価格はキロ160~130円。高歩留まりとなった昨季より52~30円安だが、一昨年と比べ約30円高の高水準。歩留まりは最高12.5%で昨季より約6ポイント減少している。
【韓国=松本名司】日本の活ホタテ輸出先第一位の韓国。中国産の輸入減も絡み昨年までは増加の一途をたどった。ホタテをはじめ日本の水産物に対するイメージは「安全・安心な食材だった」と誰もが話す。しかし原発汚染水問題が起きた昨夏以降、状況は一変。国内の水産物消費は落ち込み、ことしはホタテ輸入量も減少している。韓国の首都ソウルや釜山などを訪ね、流通事情を探った。