来遊資源の低迷が続く北海道の秋サケ。5年魚の割合低下など資源構造の変化もみられ、今期も予測は2年連続の2千万尾割れ。研究者からは降海後、沿岸生活期での稚魚の生残率低下が指摘されている。長年にわたりサケの回遊と病理を研究している浦和茂彦氏(水研機構北水研さけます資源研究部客員研究員)に初期減耗(げんもう)の要因や改善策などをあらためて聞いた。
北海道産秋サケの消流状況は、親製品が2017年から続いた減産高値で縮小した売り場・消費の回復が途上。いくら製品は記録的凶漁と生筋子の消流拡大などで生産量が絞られ、不足感が強まっているものの、ロシア産のマス子を中心に輸入物が残存している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費活動の変化と併せて今季商戦への影響が懸念される。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会が生産するブランドホッケ「バキバキ」の春漁は、水揚げ・価格とも昨年を下回る厳しい操業を強いられた。髙島信幸部会長は「5月末に漁が切れ、昨年よりだいぶ早くに切り上げた。価格も新型コロナウイルスの影響で安かった」と振り返る。
昆布森漁協仙鳳趾地区のホッカイシマエビ漁は、ハシリに比べ水揚げが減少傾向となっている。約40年着業している村井重北海えびかご部会長は「例年では9月がメイン」と話し、今後の漁模様回復に期待する。
6月15日にスタート。6軒が着業する。村井部会長は「ハシリに比べ漁は減った。今日で40パック。ハシリは50~60パックだった」と話す。竹花敏市さんも「ハシリは40~50パックほどの日量だったが、長く続かず最近は30パック前後。あまりよくない。今日は40パックくらい」という。
ひやま漁協乙部地区の乙部支所ナマコ協議会の加工部門(日沼賢澄部門長)は、ナマコ製品の地元消費の拡大に力を入れる。11月には乙部町内で試食会の実施を計画。コロナ禍で外国人観光客の需要獲得が難しい状況を逆手に取り、地元の人においしさを知ってもらう機会にする。
同部門が製造する干ナマコ「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」は送風式乾燥ナマコ。乾燥作業などを丁寧に実施しており、製品化まで約1カ月を費やす。イボ立ちの良さなどから高級品として存在感を発揮している。
厚岸漁協のホッカイシマエビかご漁は、1隻当たりの日量が20~30キロの漁模様で推移している。厚岸ほくかいえび篭漁業班の奥野広勝班長は「ハシリと比べ減っているが、雨の日が多い割には獲れている」と話す。
20軒が着業。6月7日にかご入れ。翌8日に初水揚げ。奥野班長は「ハシリの数量は1隻当たり50~60キロと好調だった」と説明。ただ「今年は全般的に雨天続き。最近は真水が増えた影響があるのか、エビが動かない。エビが入るかごも偏っている」と示す。
えさん漁協の養殖コンブは、ナギに恵まれ順調なペースで水揚げが進んでいる。現在促成マコンブが最盛期に入り、実入りも向上している。恵山・尻岸内両地区が生産するミツイシは収穫がほぼ終了し、両地区部会長は「昨年と比べると実入りは落ちるが、昨年の出来が別格。今年も悪いわけではない」と話す。
国内消費が落ち込んでいる玉冷は、外食系に回復の兆しが見えている。商社筋によると「例年の8割程度まで注文が戻った」状況で、回転ずし店を中心に居酒屋など飲食店やホテル関係の引き合いも出てきた様子。5S中心にキロ2千円を切った相場が形成され、「売りやすい価格」(荷受業者)となった。しかし、新型コロナ感染が再拡大しているため、消費回復を願う関係者は危機感を強めている。
オホーツク管内の毛ガニ漁は、北部地区(雄武・沙留・紋別漁協)が終盤戦に入った。自主休漁明けの6月中旬から若主体の水揚げとなり、雄武は7月8日時点で許容漁獲量の80%、紋別は同じく77%を消化。沙留は4日に終漁した。浜値は昨年より2割ほど安値。若はキロ3千円台前半~2千円台後半で推移している。
千歳市の商品開発卸販売、(株)サウザンド(渡部順大CEO、電話0123・26・6680)は、地元に増殖拠点を有し、観光資源でもある秋サケのフレークを素材にディップソースを開発、今春に発売した。マヨネーズと組み合わせ、タルタルソースに似た味わい。そのままご飯のおかずや酒のつまみのほか、多様な料理に応用できる新機軸のサケ加工品。日常の食卓、土産需要などに売り込んでいる。