陸奥湾養殖ホタテの2021年度春季実態調査結果がまとまった。20年産のへい死率や異常貝率は平年並みで、成育は順調。昨年の稚貝分散の作業時期が早く、1段当たりの収容枚数も平年並みで、12~3月の水温はほぼ平年並みに推移したことが要因と示している。
砂原漁協のホタテ養殖・スケソ刺網船「第十五海運丸」(9.7トン、FRP)がこのほど竣工し、7日に母港・砂原漁港でその雄姿を披露した。スケソ刺網も兼業するため甲板スペースや機能性を重視した造りに、船主の平田智士さんは「操船しやすく安定性も増した」と満足げ。ホタテの成育は回復基調にあり「来季の水揚げに弾みを付けたい」と好漁に期待を寄せる。
根室市のカネ共三友冷蔵株式会社(石田一志社長、電話0153・23・5261)は、急速凍結の新技術「3D冷凍」を基盤に、前浜産マイワシの加工品に力を入れている。小型魚に対応したフィレーラインを昨年新設。水揚げ・組成に応じ、生食可能なラウンド凍結品やワンフローズンフィレーの製造、拡販に臨んでいく。
北海道に適した魚類養殖の事業化による生産増大に向け、道水産林務部は今年度から道南地域でサクラマス養殖の実証試験を行う。併せて先行実施地域の課題や成果を把握・整理し、魚類養殖事業の着手時に参考となるロードマップを作成する。13日に有識者の意見・提言を聴取する魚類等養殖事業化推進会議の初会合を開き、取りまとめ作業を本格化した。
ウトロ漁協の定置網漁に従事する若手漁業者らが「知床直送」のネットショップが商品展開する水産品の加工作業を担っている。前浜産の知名度や魚価の向上、漁家収入の安定などの一助を目指し、漁業の余暇時間を当てて、サケとばや干物を製造。昨年9月のショップ開設から特にサケとばが話題となり、注文が殺到するなどやりがいも体感。通販業者と連携した消費者直販流通で、魚価安や主力・秋サケの水揚げ低迷に見舞われる浜の新たな活力創出に挑んでいる。
札幌市の丸本本間水産株式会社(梶原博之社長、電話011・756・3011)は、主力の数の子で通年消費の機会創出、若年層への食習慣の継承に向けた商品展開に挑んでいる。洋風の味付けや料理素材に使える利便性などで訴求。また、サケとばの珍味、アルコール急速凍結の道産すし種も手掛け、商品力を高めている。
南かやべ漁協の定置は、春にホッケやニシン、マスなどが乗網した。木直地区で操業する尾上美彦理事(有限会社ヤマダイ尾上漁業部)は「4月1日の開始から多魚種で漁に恵まれたのは初めて」と振り返る。ただ、おおむね浜値は安く、漁最盛期はホッケがキロ20円台、ニシンは10円台まで下がったという。
北海道産秋サケの消流状況は、親製品が水揚げ不振による供給過少と内食向け需要の増加で在庫水準は低位だが、安定供給のチリギンとの売り場競合が激化。いくら製品は国産に加え、輸入卵も不漁で供給減から高値に張り付いているものの、今年豊漁予想のロシア・アラスカのマス子が焦点。今期もコロナ禍に伴う消費動向の変化、水揚げ回復時に向けた売り場の堅持が引き続き課題となる。
渡島噴火湾の毛ガニ漁は、5単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原漁協)とも許容漁獲量(ノルマ)に達し、9日までに終漁した。漁場ごと日量に格差も生じたが1隻200キロ前後の水揚げ。組成は中主体。大、小の比率は漁場間で異なった。浜値は序盤から高値基調で推移し、大はキロ7千円台、中で4千円台中盤~後半の好値を付けた。
岩内郡漁協のスルメイカ釣漁は昨季と同様に水揚げが振るわない。6月20日以降に見えだしたが、着業者らは「漁模様が芳しくない」と現状を嘆く。6月下旬から7月上旬はバラ主体で組成が小ぶり。