水産研究・教育機構水産資源研究所が昨夏にベーリング海で実施した資源生態調査でサケのCPUE(1時間引網当たりの平均漁獲尾数)は、過去12回の調査の平均値より若干少ない値だった。また、採集したサケの年齢組成を調べた結果、ほぼ平年並みの水準だった。
北海道の秋サケ定置網漁が今週から開幕する。平成以降最低の来遊予測が示され、漁獲量は4万トン台前半の凶漁見通し。引き続き、水揚げの回復を見据え、売り場堅持、円滑な消流への価格形成が焦点となる。今季の商戦展望、流通対策の重点などを、道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会加工部門(日沼賢澄部門長)が製造するアカモクは今春採取分を皮切りに、加工過程を改良するなど品質アップに力を注いだ。日沼部門長は「色や粘り気がこれまでより良くなった」と手応えを話す。
神奈川県水産技術センターは、種苗生産を試みているクマエビについて、卵から稚エビまで育成することに成功した。これまでの成果では全長1センチほどの稚エビだったが、今回は放流可能な大きさである全長3~4センチまで成長したもので、この実績は東日本では初という。地球温暖化による海水温上昇の水産業への影響を抑えるために取り組んできた試みだが、新たな栽培漁業対象種としての可能性をまた一歩前進させた。
えりも漁協のタコ箱漁は数量、単価とも前年同期を上回り、金額を8割増に伸ばしている。旭地区の千葉毅彦理事は「7月が好漁で、浜値も良かった」と笑顔を見せる。 同漁協全体で8月17日現在の数量は前年同期比18%増の77トン、金額は同83%増の5300万円、キロ平均単価は同54%高の688円。
南かやべ漁協の促成は、大半の漁家が水揚げを終え製品化を進めている。昨年秋に種苗が芽落ち・損傷する被害に見舞われた影響で、組合全体の計画数量は2200トンと、昨年度実績(2669トン)を大きく下回る見通し。移植で回復を図ったが、完全復旧できなかった漁家もいたほか、移植したコンブの生育も鈍かったという。
北海道の三大魚種の一角を成すサケ。近年来遊資源の低迷が続き、各産地では「水揚げが低水準の中、1尾1尾を大事に扱っていかなければ」と、付加価値対策にも力を尽くす。船上活じめなどの鮮度・品質保持、銀毛・大型などを厳選したブランド化に加え、歴史・文化、観光など地域資源との連動で特長付け。消費者への訴求、魅力の発信に工夫を凝らしている。
町役場を早期退職し亡父の漁業権を相続して増毛漁協組合員となった田邊康光さん(61)。公務員から漁業者に転身し新たなフィールドで活躍の場を広げている。浅海漁業を営む傍ら、「田邊漁業部合同会社」を立ち上げ前浜の海水で天日塩の製造に挑戦。年内にも大手ECサイトで試験販売する計画だ。将来的には未利用の地魚で加工販売も見据えており「増毛のPRに少しでもお手伝いできれば」と夢を膨らませている。
留萌管内の稚貝仮分散は、一部の地区を除き先週までにおおむね終了した。各漁協とも採苗器の付着時期がずれ込み例年より一回り小ぶりだが、必要量は確保している。高水温が長期にわたり休止を余儀なくされた地区がほとんど。苦戦しながらも8月末までに全地区で終了する見通しだ。
広尾漁協のエゾバイツブ漁は自主休漁を挟んで7月末に再開、漁期後半に入っている。序盤は浜値低迷を受け日量を抑えて操業しただけに「その分少しでも挽回したい」と関下啓史郎部会長。ただ7月中旬から再び安値で推移しているため「価格動向を注視していきたい」としている。