宗谷漁協の毛ガニかご漁は今季も順調に許容漁獲量を消化している。ただ4月下旬近くから大中が減少し、4年ぶりに小も漁獲。毛ガニ部会の本間毅部会長は「大中が少なく、ノルマ消化を優先させるため小も獲ることにした」と話す。7隻が着業。許容量は147.7トン。1隻当たりは21.1トンで昨季に比べ約6トン増となった。流氷の影響を受け、3月20日以降に本格的な操業に入った。かごは水深60~90メートルに仕掛けた。本間部会長は「4月19日現在でノルマ消化率は96~97%」と説明。「20日からは海況が悪くなる。ノルマ達成は25日前後になる」と続ける。
道総研函館水産試験場が試験的に取り組む、成熟誘導(人工的に子のう斑を形成させる技術)を用いた早期生産種苗のマコンブ養殖。通常の促成マコンブより採苗・沖出し時期を前倒しできるため、成長が早く、形態や歩留まりに優れたコンブの収穫が期待できる。昨季は連携する戸井漁協小安地区で良好な結果が得られ、今季から近隣の浜にも普及、漁業者の関心も高まっている。
札幌市中央区の「円山うおいち」(新田道也店長、電話011・633・0501)は、店名に込めた「今日いちばんの魚」を一尾売りに加え、要望に応じた身おろし、柵、刺身、すしなどで提供する。女性1人でも気兼ねなく入店できるスタイリッシュなカフェ風のたたずまいで、さばき方、調理の仕方などを発信する昔ながらの対面販売を展開。購買層の拡大に臨んでいる。
留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で地まき用稚貝の出荷作業が始まった。管内全体の計画量は前年比約2千万粒増の11億2050万粒。苦戦した昨年とは異なり4単協とも成育良好。序盤はシケで足踏みしたが先週から再開している。
厚岸漁協のアサリ漁は熊本県産の産地偽装問題の影響で引き合いが強まり、2月の浜値は高値でキロ1300円を付けた。4月上旬でも日によっては高値でキロ千円と好値を堅持している。約180軒が着業。昨年9月1日から今年7月15日まで行う。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」で各漁業者が個別に水揚げや漁場管理を手掛ける。同漁協の担当者によると、高値相場を受け、今季生産量は昨季を大きく上回る約1600トンを見込む。
盛漁期を迎えた留萌管内のニシン漁は、新星マリン・北るもい・増毛漁協とも好調だ。3月後半から増毛で掛かりだし、好漁範囲は徐々に北上。8日の新星マリンはオス・メス合わせ17トン半、11日の北るもいでも羽幌本所だけで計39トンと一気に上向いた。放卵寸前の成熟した魚体が多く、浜値はキロ600円前後と高値で推移している。
釧路・根室両管内のコンブ産地に3月、流氷が接岸した。滞留中に大シケでもまれ、コンブ漁場が削られた地区もあるもよう。着業者は「どの程度影響があったのか心配」と話している。歯舞では太平洋側沿岸に接岸。漁業者は「2月に入った氷は厚みがなく小さかった。わりと静かに入って静かに出たので、それほど影響はないとみていた」と言う。ただ3月の流氷は大きく、接岸後に大シケが発生。「自分が確認した場所はなぎさ中心に削られ、岩盤に海藻が付いていない」とし「5月の生育調査でどのような状況になっているか」と被害状況を懸念する。
上ノ国町でナマコの種苗生産を中心に事業を手掛ける株式会社三方(加藤卓也社長、電話0139・56・1135)は、約15年にわたり培った種苗生産技術で実現した独自の飼料内容や飼育法をもとに、30ミリ以上の大型サイズの放流用種苗約250万個体を供給している。国内では最大級の供給数。大型種苗のため生残率が高く、同社の種苗を放流している漁協では漁獲量が増加傾向を示している。
常呂漁協の若手漁業者で構成する「マスコスモ合同会社」(柏谷晃一代表)が加工したホッケのフライを、無印良品「MUJI新宿店」が3月23日から店内レストランのメニューとして販売している。原料を提供する同社の柏谷代表は「3カ月で5400枚を加工する予定。売れ行きは順調。他の食材も随時提案していきたい」と話している。
函館市漁協入舟地区の浅海漁業者は前浜でコンブやワカメの養殖を手掛けている。胞子を放出させ、ウニなどの餌となる海藻資源の回復を目指した取り組み。収穫はせず、間引き分だけを餌用としてウニ漁場に投入しウニの身入りも促す。今季から養殖規模を拡大している。