カネヨ山野辺水産株式会社(宮城県塩竈市、山野辺文幹社長、電話022・366・0171)は、末端消費者向けの商品ラインアップを強化する。自社ブランドの確立が狙いで、今夏に漬け魚と干物を発売。来春にはミールキットと煮魚を投入する。原料から製法まで品質にこだわった冷凍食品をPR。新型コロナウイルス禍に伴う巣ごもり需要の取り込みも目指す。
マルハニチロ株式会社の池見賢社長は2日、東京・豊洲の本社で年末会見を行い、今年度の振り返りや中期経営計画の進ちょく状況、来年度の見通しについて語った。食品事業は想定以上に順調に推移するも、養殖や海外巻網事業に課題が残り、収支改善に向け立て直しが必要との認識を示した。来年度から始まる新中計では「企業価値をより高める」とし、現在策定中であることも明らかにした。
室蘭・胆振産を中心に魚食の魅力を発信する飲食店が11月、北海道最大の繁華街・札幌市のすすきのにオープンした。室蘭市公設地方卸売市場で仲卸を営む株式会社ヤマサン渡辺の山本晃弘社長(35)が新会社・株式会社山三を立ち上げて運営。昼の海鮮丼専門店に加え、夜はラウンジの業態でチャージに海鮮料理を提供。魚介類とナイトビジネスを掛け合わせ、水産流通の新機軸を追求するとともに、商談や情報交換など水産関係者の商機拡大に貢献するスポットの機能も目指している。
水産加工・販売の株式会社ヤマナカ(宮城県石巻市、髙田慎司社長、電話0225・24・3373)は、塩竈市の浦戸諸島・野々島で養殖されたシングルシードの活カキの輸出を開始した。東日本大震災後、生産者や殻をむく「むき子」が減少する中、殻付きのまま高単価で出荷できるのは大きな魅力。海外流通に適した「潮間帯養殖法」を県内で普及させ、稼げる水産業の実現を目指す。
漁獲から加工・販売まで手掛けるせたな町の有限会社マーレ旭丸(西田たかお社長、電話0137・87・3455)は、日本海で厳寒期に水揚げするアカシマエビの風味を閉じ込めた「食べるラー油」を打ち出した。家庭料理研究家の監修で開発。10月にオンラインショップで販売を始めた。全国各地の物産展でも出店時に売り込んでいる。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社(東京都、織茂信尋社長)は青森県との連携を強化している。11月24~30日の期間で、旬の県産魚介類を集中提供する販促企画を全19店舗で開催。27日には東京都杉並区の荻窪総本店に三村申吾青森県知事、濱舘豊光中泊町長がPRに来店。マグロの解体即売会の実施や県産品の限定プレゼントなど県の魅力を伝える催しを繰り広げた。
株式会社ニッコー(釧路市)の佐藤厚取締役会長が、北海道の経済・社会・文化などの発展に貢献した個人や団体を表彰する「令和3年北海道功労賞」を受賞した。
道知事による最高位の表彰で、1969年に「北海道開発功労賞」として制定。これまでに166人・15団体が受賞している。
ホタテ製品の輸出拡大を目指すため、生産、加工、流通・輸出事業者で構成する任意団体「日本ほたて貝輸出振興協会」が設立した。発足時会員数は34団体。会長に農水省国際顧問の野村一郎氏が就任した。事務局は道漁連が暫定的に務める。今後、会員相互の情報共有や商談・販路拡大、新規市場の開拓などに力を入れる。
カニの主力商材である海外産のズワイ、タラバが高騰している。デフレに苦悩する日本とは対照的に政府の経済対策などで個人消費の盛り上がりに沸く米国、活需要が著しい中国が相場を主導。日本の大手商社は「米国のマーケットが失速する気配は乏しい。しばらくは高値圏の相場が形成され、タラバのキロ1万円超えが続くだろう」と言い切る。一方、札幌の専門業者は「商社からタラバを仕入れるのが難しい。ズワイも来年の製品確保にめどが立たない」と表情を曇らせる。
オーストラリア政府は日本向けに水産物の輸出に力を入れている。世界第3位の大規模な漁場を有し、4千種を越える魚種が生息。世界トップクラスの漁業管理や衛生安全基準を満たしていることも優位性を後押ししている。在日大使館はこのほど東京で開催されたシーフードショーに約20年振りに出展し、日本でもすでに実績のある商材から馴染みの薄い商材など幅広く提案した。