岩手県産ワカメの初入札が14日、大船渡市の県漁連南部支所で開催された。ボイル塩蔵は3876箱(1箱15キロ)上場、芯抜き1等は最高値が重茂産の1万230円(10キロ値)、5浜産が7千円台の落札となった。数量の多い抜1等が昨年の初値を大幅に下回り、生産者には厳しいスタート。三陸産の在庫水準の高さと福島原発事故の風評懸念が要因とみられる。
岩手県釜石市の平庄株式会社(平野隆司社長、電話0193・22・1097)は、隣接の大槌町に将来の事業展開を見据え「平庄株式会社大槌食品工場」を建設した。高次加工商品を生み出す新たな構想のもと、各種の最新鋭機器を装備した工場。4月からの本格操業を目指す。
岩手県宮古市の共和水産株式会社(鈴木徹社長、電話0193・77・4625)は、生産能力でこれまでの約2倍の規模となる新工場を建設した。前浜宮古で獲れるスルメイカや魚介類への愛情とこだわりを持ち続けて自慢の商品を展開している。スル メイカの生食を中心とした末端向け商品を展開する工場で、東日本大震災からの地元復興に意欲を燃やしている。
岩手県の田老町漁協(小林昭榮組合長・宮古市)は2月26日、アワビ種苗生産施設を同市の摂待漁港に竣工した。東日本大震災の津波で流失した施設の新設復旧で、震災前と同様に30ミリサイズで120万個の生産を目指して4月から採苗し、来年6月に待望の放流を再開する。アワビは組合員のうち450人が着業する大宗漁種で大きな収入源だけに、増殖による資源と生産の回復に期待が掛かる。
岩手県の重茂漁協(伊藤隆一組合長・宮古市)は10日、「復興缶詰・味付さば」(復興鯖缶)の本格販売を開始した。同漁協自営定置の根滝漁場で水揚げされた脂乗りの良いサバを厳選し、しょうゆと昆布などの天然素材だけで味付け。大震災からの「復興の旗印に」と企画、早くも好調な売れ行きだ。
平成23年3月11日、夕刻から夜半にかけて東日本太平洋沿岸を激震と巨大津波が襲い、多くの人命を奪い、生活と産業を破壊した。あれから丸3年。がれきが撤去されて整地かさ上げが進み、新しい冷蔵庫や加工場で生産が再開された地区もある。盛漁期の水揚げに沸く港がある一方で、現場には「復興は途上、難題も多い」という指摘も。岩手・宮城の各地魚市場卸売人の声を聞くとともに、支援を得ながら共同で商品開発・販路拡大に取り組む両県の加工業界を取材した。
岩手県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁が3日始まり、大船渡~宮古の4港に226トンが水揚げ、キロ43~24.4円で販売された。翌4日も含め、価格は昨年ハシリ(2月26日開始)並みで、漁模様、漁場とも不安定な滑り出し。宮城県は3日の漁解禁が延長され、10日からとなる。
イサダ(ツノナシオキアミ)の食用利用に弾みがつきそうだ。公益財団法人岩手生物工学研究センターなどのチームはこのほど、イサダに含まれ肥満の抑制につながる成分を特定するとともに高含有を確認、抽出方法も開発した。サプリメントなど機能性食品や加工食品の原料として製品開発が進められているほか、医薬品としての活用も期待される。
岩手県の水産加工会社や漁協自営工場で、大手自動車メーカーなどの専門家が生産ラインの改善を指導し成果が上がっている。釜石市でこのほど開催された発表会で、缶詰製造のリードタイム短縮を目標に取り組んだ加工場は「生産性が30%向上した」と紹介。大震災の影響で人手不足が深刻化する中、改善による生産の効率化が脚光を浴びそうだ。
岩手県・広田湾漁協広田地区のホタテで14日、大震災以来3年ぶりとなる地種養殖の出荷が始まった。震災前まで悩まされていたへい死が激減したうえ、殼長11.5~13センチと成長も良好な新貝だ。南浜(広田湾)では昨秋の沖洗いで付着物が減った効果も大きく、1連200枚つりで30キロという快調なスタート。北浜(大野湾)では2月15、16日のシケによる落下被害が気掛かりだ。