東日本大震災の甚大な被害や多くの困難を乗り越え、岩手県大船渡市に新大船渡魚市場が完成した。三陸沿岸水産業復興の一躍を担う新拠点で、地元をはじめ多くの関係者にとって待望の施設。高度な衛生管理や鮮度管理の体制を整え、閉鎖型でありながらも広々とした卸売場、各種の効率化と電算化が図られた魚市場など、最先端の機能を誇る施設として注目される。熱心に展開してきた外来船誘致活動にも弾みとなる。さらに、展望デッキなど観光面の機能も備え、同市場を拠点とした復興の加速化が期待される。
宮城県のコウナゴ漁が8日からまとまり、石巻、女川両市場に同日約65トン、翌9日約100トンが水揚げ、上場された。好調なハシリで、サイズも小さく値の上がる加工向け主体となるが、両日の平均価格がキロ300円前後となるなど昨年より安めの滑り出し。主漁場は仙台港沖。「成長が早い」との見方があり、序盤の好漁持続に期待が掛かる。
宮城県名取市の株式会社ささ圭(佐々木圭亮社長、電話022・784・1239)は東日本大震災の被災を経て、復興を目指して懸命な努力と活発な販路拡大などの活動を展開している。震災後、同社製品を高く支持する多くの顧客からの応援を受けて事業を再開。沿岸部の閖上地区から内陸部に移転して新工場を建設。多くの催事への出展など、製品の品質と手作りの良さを積極的にアピールしている。
岩手県産ワカメの地区別2回目の入札が北部で7日、南部で8日に開催された。ボイル塩蔵は上場が合わせて3万7774箱(1箱15キロ)と増加。数量の多い芯抜き1等は、北部が7000円前後主体、南部が7000円台中心から一部8000円超えで落札され、両地区とも前回並みからやや下げる浜が多くなった。冷水接岸の影響が北部でより大きくなっているようだ。
岩手県は3月28日、宮古市と久慈市、洋野町に水産物高度衛生品質管理計画の認定書を交付した。計画は、県が進める、魚市場を核に漁獲から流通、加工までの一貫した衛生品質管理サプライチェーンの構築を目指したもので、消費者から選ばれる産地づくりに向けた具体的な取り組みが3市町で始まる。
宮城県気仙沼市で水産業と観光業の一大拠点として、気仙沼魚市場に隣接していた海鮮市場「海の市」。東日本大震災で甚大な被害に見舞われたが、建物の補修改修を経て、同市自慢のサメをテーマにしたミュージアムや観光施設が4月2日にプレオープンした。関係者が集って再開を祝い、復興に向けた歩みの継続と発展を誓い合った。同施設のメーンとなる海鮮物や水産加工品の物販、魚介類中心のレストランなどは7月までに再開される予定だ。
岩手県産ワカメの入札が南部地区で26日、北部地区で27日に開催された。ボイル塩蔵は合わせて2万7886箱(1箱15キロ、418.3トン)上場。芯抜き1等(抜1)は10キロ7000円台中心となり、前回の初入札より下げる浜が多く、震災前を下回る水準となった。三陸産の在庫の多さと原発事故の不評懸念が大きな要因とみられるが、実入り不足なども指摘された。
宮城県の養殖ギンザケ水揚げが24日始まり、石巻魚市場に3トン上場、キロ1200~1020円で落札された。昨季を400~200円上回るスタートで二十数年ぶりの1000円超え。成長は昨季よりやや良く、平均サイズは1.2~1.3キロ。今季の生産見込みは1万3000トンで、競合するチリ産の減少、高値で安定価格に期待が掛かる。
宮城県気仙沼市の気仙沼ほてい㈱(山本達也社長、電話0226・22・5300)は、4月から女性をターゲットにした「コラーゲン入り ふかひれスープ」と、ブリ缶詰のシリーズ品最新作となる「ぶり大根」を発売する。
「ふかひれ」生産量日本一の実績を誇る気仙沼で同社は、さまざまな「ふかひれ」シリーズを展開している。濃縮スープシリーズの「広東風」「北京風」「四川風」のほか、アッパータイプの、鶏肉入り・かに肉入りストレートスープ、ギフト用セットや高級ふかひれ姿煮、さらにはふかひれラーメンなど、多彩なラインナップを誇り、いずれも高い人気を得ている。
宮城県気仙沼市の気仙沼・本吉地区水産物普及協議会(会長・阿部泰浩㈱阿部長商店社長)は7日、「三陸水産物ブランディングプロジェクト」の事業方針を発表した。今夏にオープンする商業観光施設・レストラン「海の市」を拠点に、生産者と加工・流通業者の連携で、三陸産を前面に打ち出した商品、サービスを提供していく。