宮城県石巻市小渕浜の阿部水産(阿部祐二代表、電話090・6453・5643)は、ワカメやカキの休漁期にキクラゲの栽培と販売に挑戦している。手塩にかけたキクラゲは潮風を受けてミネラルたっぷり。牡鹿半島で育った「金華きくらげ」として、地域の新たな特産品化を目指す。水産業の閑散期に手軽にできる副業のモデルケースとしても注目を浴びる。
帯広地方卸売市場(株)(高橋正行社長)は、通販事業に乗り出した。6月の改正卸売市場法施行やウイズコロナ・アフターコロナの消費行動も踏まえ、一般消費者に取扱商材を発信。今後、PB商品の開発を含めアイテムを充実させ、市場流通の活性化や新たな収益確保を目指す。7月中旬に通販サイトを運営するストアーズ・ドット・ジェーピー(株)のサイト内に専用サイトを開設。水産と青果を持つ総合市場の強みを生かし、取り扱う農水産品をはじめ、新得そばや本別産乾燥小豆などの特産品を販売。役員個人のSNS(ツイッター)でも情報発信している。水産物は現在、たらこ、ホタテのボイル・玉冷、毛ガニ、干物、昆布、昨年商品化したPB商品の漬け魚シリーズなどをラインアップしている。
北海道の秋サケ定置はメス、オスとも昨年より高値でスタートした。特に卵需要のメスは先発の十勝に続き根室、日高など各地で出足から異例の高値キロ千円台。サンマの不振に伴う量販店の生鮮需要なども影響、通年商材の価格形成は今後の漁況に懸かっているが、在庫薄のいくらは今季上昇局面。低水準の来遊予想下、消流安定への適正価格の形成が焦点になる。
仙台市青葉区の(株)阿部蒲鉾店(阿部賀寿男社長)は1日、(株)サンリオ(東京都)の人気キャラクター「ハローキティ」とコラボレーションした「笹かまぼこ チェダーチーズ味」を通信販売で数量限定発売した。手軽にカルシウムなどの栄養を摂取したいという健康志向や「家飲み」の拡大で、家庭用チーズ市場は好調が続く。ハローキティの赤いリボンをメインにしたパッケージデザインは目を引き、贈り物や手土産としても喜ばれそうだ。
宮城県水産技術総合センターは8月28日、2020年度の秋サケ来遊予測を発表した。沿岸漁獲と河川捕獲を合わせた同県の予測値は66万尾で、19年度実績の約2.4倍とする一方、5年魚の来遊が低水準となり、予測値を下回る可能性があるとの見通しも明らかにした。
留萌市の(株)ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、北海道産秋サケの皮を焼き上げた「鮭皮チップス」を開発した。既製品の副産物を有効活用。新ブランドを立ち上げ、その先導商品として販売拡大に臨んでいる。
生産者と消費者を航空輸送で直接結び付けるサービス「エドノイチ」(江戸乃市、https://edono1.com)を展開している(株)3rd compass(東京都渋谷区、木村幸太郎社長)と(株)ANA Cargo(同港区、外山俊明社長)は、これまで稚内と鹿児島の2空港を発送拠点として展開していたサービスを1日から全国47空港に拡大した。空輸で食材を1日もかからずに直接購入者へ届けられるもので、利用空港を拡大したことで、より多くの生産者の販売促進の機会を創出する。
流通・小売業者向けに教育コンテンツの配信サイトを運営する商人(あきんど)ねっと(株)(東京都、水元仁志社長)は鮮魚売り場で使える技術を配信している。客の購買意識をくみ取った商品開発、最新の水揚げ状況から予測した売り場作りなどを解説している。8月25日に公開した動画「西村弘の商品化研究室」は年末商戦に向けた高付加価値な刺身の盛り合わせ、総菜を提案している。
道漁連は、8月末時点での本年度道産コンブ生産見込みを1万3019トンとした。6月末に示したものから213トン下方修正。過去最低だった昨年度実績比で0.8%増、過去10年平均(2010~19年度)と比べると18.1%下回り、低水準の生産が続く見通し。
北海道の秋サケ定置が30日開幕した。今季は40年ぶりに5万トンを切る凶漁だった昨年比13%増の来遊予測で、依然低水準の生産見通し。消流は親製品の売り場回復が途上下、新型コロナウイルス感染症に伴う消費構造の変化など先行きが不透明。今季の商戦展望、流通対策の重点などを道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。