道総研さけます・内水面水産試験場は2日に札幌市で開かれた道連合海区で、ことしの秋サケの資源状況を説明、北海道の総来遊数は昨年比14.8%増の4029万1千尾との予測を示した。予測通りの場合、平成12年以来の低来遊だった昨年から若干回復するものの、漁獲量は12万トン規模で依然低水準が続く。
来年1月からロシア200カイリ内のサケマス流網漁を禁止する法案がロシアで成立したことで、漁業者、水産加工など関連産業、道東の地域経済が大きな打撃を受けることは必至。国、道は対応策の確立などに動き出している。
林芳正農水相は1日、「現地の状況を把握するとともに関係者皆様の意向を聞き、関係省庁とも連携し、万全の対策を講じる」との談話を発表。6、7日に根室市、釧路市、厚岸町に水産庁の担当幹部を派遣、地域経済への影響などを調査する。
道は3日、「北海道北洋漁業対策本部」の初会議を開いた。関係部局・振興局の幹部らが一堂に介し、本部長の高橋はるみ知事は「道東を中心に北海道水産業の危機という認識の下、一丸となってしっかり対応していかなければならない」と述べた。
今季のサンマ商戦を展望する「全国サンマ・鮮魚大手荷受・荷主取引懇談会」が1日、釧路市で開かれた。一般社団法人道水産物荷主協会(会長・宮崎征伯㈱山十前川商店社長)の主催。水揚げ回復と大型組成で昨年の販売実績が伸長、春鮭鱒の不調もあって、今季も拡販への意欲や期待の声が上がった。一方、冷凍、塩は一部アソートにだぶつき感が示された。
道漁連は2日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産量予想を1万7800トンと発表した。昨年度実績を2%下回り、平年作の2万トンを9年連続で割り込む見通しだ。
各生産漁協や道水産物検査協会への聞き取り調査に基づく6月末時点での予想で、道漁連の藤森英樹共販部長が発表した。
いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網は、豊浦支所のアカガレイがキロ700円台の好値を付けた。サイズも良く、着業者は今後の増産に期待を寄せている。
同支所のカレイ刺網は4軒が着業。4~6月末水揚量はアカガレイが前年同期比47%増の26.8トン、ソウハチが同64%減の23.5トン。
6月はソウハチが切れ始めアカガレイ主体の水揚げ。刺網部会の竹島浩部会長は1本60反、目合い4寸~4寸2分を使用し豊浦から虻田沖合で操業。「昨年に続き数量は全般的に少ない」と話すが「値段は高値に振れ、水揚げを伸ばしたい」と今後に期待する。
札幌市の水産加工・栄興食品(有)(大西令哲社長、電話011・666・2511)は、生冷ホッキの製造販売に乗り出した。冷・解凍による軟化やうま味の流出を防ぐ独自製法を開発。解凍後も生ホッキとそん色ない歯応えや風味を再現、業務筋や量販店の刺身商材などの需要で評判を呼んでいる。
宮城県気仙沼市の(株)大晴設備工業(渡辺海司社長、電話0226・23・2707)は、魚を凍結する温度帯を零度より下げる技術を見いだし、解凍時のドリップ流出を抑えた。柵取りした刺身のうまさを保つ。6月に特許申請した。家庭でもできる簡単な技術で、マイナス20度の凍結、自然解凍でよいという。
いぶり噴火湾漁協の残存貝は、6月30日現在で豊浦支所が日産40~50トン、虻田本所が18トンペースで出荷。浜値はキロ370~350円と依然高水準だ。
缶詰向けに出荷される今季の残存貝は6月上旬から始まり、全地区合わせた計画量は昨季比23%増の1240トン。出荷は7月末まで続く。
浜中漁協のホッキ漁は、道内でも一般的なけた引きのほか、鎌掘りという独自の漁法でも行う。さおの先端に鎌と熊手が付く専用漁具を使用。海に浸かりながら、手に伝わる感触を頼りにホッキや石などを判別して採る熟練の技が必要。水揚げは個人差があり、1日4時間操業で150キロ以上揚げる着業者もいる。
寿都町と島牧の両漁協で6月末からスルメイカが上向いている。組成は3分の2がバラ。1隻平均100~200箱、日によって300箱を水揚げする船もあった。
寿都町漁協の木村静雄イカ釣り部会長は「6月に獲れだすのは、ここ数年では珍しく早い。松前沖でまとまらなかった分、北上が早かったのでは」と話す。