コンブの生産減、消費低迷が続く中、各研究機関は、地元漁協や企業と連携しコンブ漁業振興、需要喚起に向けた取り組みを進めている。製品化や試験養殖、品質向上につながる技術開発などで、今後の成果やさらなる発展が期待される。
東北の漁業現場に技術革新の波が寄せている。マダラの雌雄を超音波とAI(人工知能)で判別したり、定置で漁獲される魚種をセンシング技術による画像解析で自動選別。ウニではロボットで漁獲、給餌畜養して身入りを上げる技術や、殻割りから内臓除去までの作業を自動化する機械の開発が目指されている。
昨年の価格修正で末端消費に勢いを付けた玉冷需要。内販は5年ぶりの1万トン超えが堅く6年ぶりに輸出を上回った。ただ原貝増産の半面、小型化で前年並みの供給量。余剰分は活貝や冷凍両貝に仕向けた。今年のオホーツクはさらに増産し小型予想。荷動きは昨年とほぼ同様の公算が高い。
極度の水揚げ不振が続く北海道内のホッケは、2016年以降、右肩上がりで推移している。主漁場の道央日本海~オホーツク海では18年の水揚量が10月末段階で4年ぶりに2万トン台を突破。低水準を脱してはいないものの持ち直しつつある。関係者は「沿岸・沖合の自主的な資源管理が奏功した」とみており、今後も継続した資源管理が期待される。
海洋土木の(株)菅原組(函館市、菅原修社長)は、松前沖でのコンブ養殖プロジェクトを立ち上げてから10年目を迎えた昨年暮れ、海藻活用研究会(安井肇会長)と連携しガゴメコンブの養殖を新たに始めた。今後は「松前」のブランドを冠した新たなガゴメ商品開発に取り組む。
スルメイカやサンマなど道内主力魚種の漁獲量が低迷する中、増加傾向のブリやイワシの高付加価値化や消費拡大に向けた取り組みが各地で進む。函館や根室では昨年から道の振興局が音頭を取り地域単位でオリジナルレシピの考案や販促などの各種活動を重ねている。海洋環境など情勢変化に向き合おうと官民連携での模索が続く。
東京五輪・パラリンピックが近づき、水産物輸出にもエコラベル認証が求められる中、業界ではその認証取得の動きが盛んになっている。世界に数ある水産エコラベルの中で日本で誕生した「MEL」が今年、国際標準の規格を持つ認証として認められる見通しだ。これまで北太平洋、北大西洋の漁業が国際標準の主流として位置付けられてきたが、日本の水産業の多様性を反映した基準がいま世界に向けて発信されつつある。
低迷が続く道東太平洋地域の秋サケ資源の早期回復に向け、道総研は沿岸域に比べ水温が高く、餌も豊富な潟湖(せきこ)を稚魚の成育場に活用する研究開発に取り組んでいる。2017、18年の調査では水温、水質、餌生物量といった好適な環境特性を備え、その条件下で稚魚が成長し、沿岸域が適水温に到達した時期に降海した状況を確認。今年以降も調査を継続し、初期生活期の生残率向上につながる新たな放流方法の確立を目指す。
昨年は三陸沿岸でまひ性貝毒がかつてないほどの猛威をふるい、特にホタテでダメージが広がり深刻となった。貝柱製品向け水揚げの条件が緩和され出荷回復が図られたが、今年以降の貝毒再発懸念が強まっているほか、海域によってはワカメなど他養殖種への変更を模索する動きもある。専門家に再発リスクなどを聞くとともに、発売が待たれる貝毒検査キットを取材。水揚げ条件緩和とその後の動きも追った。
東北大学が研究する、電磁波を用いて食材を短時間で均一に、ドリップも出さず解凍できる技術「スマート解凍」の普及を目指し、法人化の計画が進む。浸透すれば低温流通を刷新、高品質を維持しながら食品ロスの低減にもつながると期待される。